(円卓)走りながら考える

元全日本中学校長会会長 佐野金吾

 

今年度内には、改訂学習指導要領が告示される。小学校で平成32年度からの全面実施となるので、新しい学習指導要領による教育課程への取り組みまでには、時間的な余裕がありそうだが、そうでもない。

改訂される学習指導要領のキーワードには「社会に開かれた教育課程」や「資質・能力の三つの柱」、そしてカリキュラム・マネジメント、アクティブ・ラーニングなど、学校管理職として取り組まなければならない課題は盛りだくさんである。

学校管理職としては、これらのキーワードと学校運営の現状とをどうリンクさせるのか、またリンクできるのか、キーワードが示された背景や真意を突き止めねばならない。

「審議のまとめ」の第1部「(2)学習指導要領等の改善の方向性」から読み取れることの一つとして、この度の改訂には、これまでの改訂とは質的な違いが挙げられる。学校管理職は、教育界の動向を的確に把握して、日々の学校運営に生かしていかなければならない。超多忙な職場環境にあっては見通しをもった中での取り組みが必要と思われる。

大きな変革の際にはじっくりと時間をかけて自ら考え、教職員との協議が必要ではあるが、日々の教育活動を止めるわけにはいかない。走りながらでも考え、策を練り、具体的な実践に結び付けなければならない。幸い、年末年始には学校管理職といえども多少なりとも私的な時間はもてる。年内には中教審答申が出されるようであるから、答申からこれまでの取り組みを継続していくこと、改善していくことなどを読み取り、整理しておきたい。

今次の改訂では、教職員ばかりでなく、地域や家庭など学校教育に関わりを持つ全ての者に連携・協力し合った学校運営を求めている。これまでは校内の取り組みで何とかやってきた学校運営だが、これからは社会に開かれ地域や家庭との連携が必須となる。改訂学習指導要領による教育課程の実施は3〜4年先ではあるが、新たな学校運営について教育委員会とのすり合わせも必要となるし、教職員の研修を持たねばならない。

今後の取り組みに向けて課題を整理し、解決策を立てるには時間的余裕はない。やはり、走りながら考え、策を練るしかない。

(「教育新聞」論説委員室顧問)

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