(円卓)オールドスカウト

元中央大学ローバースカウト隊長 清水良衛

 

平均年齢は、80歳を超えているだろうか。かつて各地のボーイスカウトの隊で指導者を務めた人たちが、年1回集う「オールドスカウト・クラブ」(吉田謙会長)という会がある。

ボーイスカウトであるならば、どこの国でも、国旗敬礼で活動を始める。日本ではその後で、昔から親しんでいる歌「光の路」を合唱する。スカウティング(スカウト運動)にはいつも、歌とゲームが付きものだが、オールドスカウト・クラブでは、ホテルでの食事会でもあり、ゲームはもちろんしない。

このクラブでは、2月になると、一番遅い新年会を兼ねて、全国から毎年50人ほどが集まる。今年は、唐招堤寺から出席した石田智圓長老の講話があった。昭和10年生まれの石田長老は、奈良のボーイスカウト出身。入隊時からのボーイスカウトソングを、はっきりと憶えていた。これには、一同驚いたのだった。

出席者の中には、戦前からスカウティングに参加していた先輩の姿もあった。戦前、ボーイスカウトは「少年団」と称されていて、その時代の幼年隊にいた人である。

出席者は皆元気で、姿からだけでは歳は同じに見えて、互いに分からない。招待席に座るガールスカウト連盟から出席した婦人たちも、同様に元気な様子だ。長寿長命社会になったものと、改めて思う。

昭和55年秋、日本での高齢化率が7%台の頃、日本の将来の参考にと、10人ほどの調査団の一員として、当時、高齢化率20%を超えた北欧4カ国を訪れたことがあった。その時のレポートが「福祉社会を生み出した人間と土壌」として手元に残っているが、いま改めて思い起こすと、日本と北欧には、面白い共通性がある。

日本でも北欧でも、婦人は一般に、初めて出会った人とも、親しく楽しそうな話を始める。一方男性は、見知らぬ人とは話が始まらない。南欧イタリアなどと違い、北欧では町なかにあるいすに、一人でいる人が多い。

オールドスカウト・クラブでは、全国からの初対面の人とも、互いにすぐ打ち解ける。それは、同じ時代をスカウトとして過ごした共通の知人がいたりして、共有共通のものがあるからだろう。

年1回の3時間ほどの集まりだが、互いに再開を約して散会したのであった。

“Once a  Scout,  Always a  Scout”

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