(円卓)教師の働き方改革

帝京科学大学教育人間科学部教授 釼持 勉

「学校と自宅との往復。それで毎日が終わってしまう」「他の先生方が職員室に残っているので、帰れる雰囲気ではない」「その日の仕事量が急に増えてしまい、1日では終えられない」「午後5時を過ぎてからの会議が定例化していて、私的な時間がとれる状況ではない」「土曜日か日曜日のどちらか1日は必ず出勤しないと、学級運営が立ち行かない」などといった、若手教員の悲鳴を聞く機会が少なくない。

先日、文部科学省の調査でも小・中学校教員の1日の働く時間は11時間を超えていた。その結果などを受けて、教師の働き方改革がようやく進もうとしている。

それでは、いったい何が問題なのか。どうして上手に時間が使えないのか。

勤務が長時間になってしまうのは、「仕事の内容の理解と自己の能力、どの程度の仕事量か、何時間でできる仕事なのか」の判断ができない状態が続いていることに尽きると思われる。

加えて、優先順位を意識したスケジュール管理ができない、同時並行で物事に取りかかる習慣が身に付いていない、職員会議等の諸会議の在り方が改善されない、などの実態もある。

「目の前にある仕事にこだわるので、全体として前に進まない」「周囲よりも仕事を終わらせるのに時間がかかる」「自分にしかできない仕事が多く、他に任せられない」「皆が残っていて、自分だけ先に帰りづらい雰囲気がある」などの要因が複雑に絡み合い、一層早く切り上げられない事態となっていると判断している。

学校現場での働き方改革は、教職員の資質・能力の向上はもちろんだが、事務処理能力の向上を図った上で、自己認識を基にした自己改革に取り組まなければ、決して前進しない。

自己改革をするにあたっては、「自分はなぜ早く帰れないのか」をよく分析して、自分はどのようなタイプなのかを明確にし、半歩でも、一歩でも前に物事を進めていける能力をつけることが大切だと考える。

管理職は、働き方改革を一歩でも前に進められるようマネジメント力を発揮して、できることから思い切った方向性を教職員に示すべきだ。

舵をどのように切るのか、待ったなしの状況になっている現実を認識しなければならない。

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