(円卓)「簡単、きれい、感動」の科学遊び

日本理科教育支援センター代表 小森 栄治

平成元年版の学習指導要領で小学校1・2年生の理科が消えてから久しい。

学校だけでなく、家庭生活でも外遊びや自然体験が減っているのが実態である。木登りをしたり、日没を見たりする経験が少なくなっている。小学校3年生で理科がスタートするまでの間、子供たちの理科的体験が不足している。この点を懸念する声も少なくない。

幼児期や小学校低学年の時期に、科学遊びなど理科的体験を豊かにすることで、小学校3年生以降の理科学習につなげていけるようにしたいと考え、以下のような活動に取り組んでいる。

私は10年前に中学校教師を早期退職し、日本理科教育支援センターを立ち上げた。以来、保育園の授業や小学校での出前授業で、科学遊びを行い、子供たちに理科体験を積ませている。

子供たちは科学遊びが大好きである。私は、「簡単・きれい・感動」の3Kをキャッチフレーズにしている。誰でも簡単に作れて、きれいなできぐあいやおもしろい動きに感動する。

感動こそが、「もっとやりたい」「ちょっと変えてみよう」という探究活動や創意工夫などの原動力になると考える。

私が保育園において通年で担当している科学遊びでは、シリーズ化することを心がけている。

毎回テーマが変わるような単発の科学遊びではなく、シリーズ化したプログラム(授業でいえば単元構成)にする。子供たちが変化のある繰り返しで徐々に慣れていき、できるという自己肯定感を味わえる。類似の操作を繰り返すことで、手先などの身体能力が向上する。さらに、原理や概念をおぼろげながらつかませることができる。

例えば、「飛ぶ種シリーズ」では、紙の折り方が簡単なものから少しずつ難しいものに変化する。その一方で、クリップをはさむという動作を繰り返して行っていく。

いろいろな植物が種を遠くに送り届ける工夫をしていることに、体験で気づかせるようにしている。

具体的な作り方や授業における指示や語りに関しては、拙著『簡単・きれい・感動!!10歳までのかがくあそび』(学芸みらい社)をご覧いただけるとありがたい。

さまざまな科学遊びを通して、子供たちに科学の楽しさを伝えていこう。