(円卓)部活動の在り方を議論しよう

日本部活動学会会長 長沼 豊

日本部活動学会第1回大会が3月25日、学習院大学で約240人の参加者を得て開催された。部活動に関する関心の高さがうかがえる。

折しもスポーツ庁が運動部活動に関するガイドラインを公表したこともあり、部活動をどのように改善し実践していくのかを考える時期と重なったこともあるだろう。大教室での議論は白熱したが、複雑に絡み合った部活動を巡る事象を解きほぐすのは容易なことではないことも明らかにされた。

部活動の在り方で考えなければならないのは、その目的や教育内容・方法に関すること、教員の働き方改革に関すること、児童生徒の成長・発達を促進する視点、種目ごとの人材育成システム、学校・地域・家庭の連携・協働の在り方、存立基盤に関わる教育制度に関することなどがある。

これらに対し、児童生徒、教員、保護者、管理職、教育委員会、文科省、推進団体の人々など、部活動に関わる立場によって考え方は異なり、絡み合っている。「部活動の在り方のひも」を丁寧に解きほぐしていく作業が必要である。部活動の教育的意義や課題についての認識はいろいろだが、改革案はさらに多様だ。現状維持に近いものから、学校外に移行するというものまである。

部活動の在り方について、地に足の着いた議論や協議をする「場」が必要であり、学会を設立した理由もそこにある。SNSがこれまでの部活動改革に果たした役割は大きいが、顔の見える関係(KMK)での議論も重要である。その際、中学校の部活動に偏ることなく、小・高・大学の部活動の在り方にも議論が必要となる。同様に国公立の学校だけでなく私立も、運動部だけでなく文化部も、教員の働き方改革だけでなく児童生徒の視点での改革の議論も大切にしなければならない。

部活動は内容、活動量ともに何十年とかけて膨れ上がってきた。その「肥大化した風船」は1カ所針を刺したところで到底しぼむ状態ではない。どこにどのような針をどの程度刺せばよいのか、あらゆる関係者が知恵を絞り行動する必要がある。

日本部活動学会では、理論と実践の往還を目指している。実践を科学的に分析し理論化するとともに、理論を踏まえたより良い実践を進めるための環境整備を行う。部活動の在り方を考える議論は始まったばかりだ。