(円卓)長期宿泊自然体験事業のすすめ

京都市左京区の北山にある京都市野外活動施設「花背山の家」は、敷地面積が15万1千平方メートル(甲子園球場4個分)で収容人員600人。主要建物は、本館棟、宿泊棟、ロッジ、体育館があり付属施設にグラウンド、キャンプ場、野鳥の森、創作の広場、自然観察ゾーン、テニスコート、冒険の森(フィールドアスレチックス)、スキー場などがあります。

花背山の家は、日本で唯一、教育委員会直轄の施設です。本市教育委員会では、以前から「自然の中での集団宿泊活動」に力を入れていました。

海の体験をさせるために「奥志摩みさきの家」(三重県)を、その後、山の体験施設として「花背山の家」を設置しました。また、教職員による小学校(中学校)野外教育研究会があり、研さんを積んでいます。

そうした土壌もあって、長期集団宿泊活動を全国に先駆けて導入できたのです。ご存じの通り、2007年に「教育再生会議」において小学校の長期集団宿泊活動の重要性と推進が提言されています。この会議の有識者のひとりが、門川大作京都市長(当時は教育長)であり、ありがたいことに本事業の推進に向けて大いにバックアップしていただきました。

さらに、学校と教育委員会の結び付きが非常に強く、大きな相乗効果を発揮しています。

校長会と教育委員会が立ち上げたプロジェクトチームが、長期自然体験宿泊事業を実現させた要因の一つといえるでしょう。

現在は、小学校4年生から6年生までの集団宿泊的行事を体系化し、「京都市スタンダード」を制定して取り組んでいます。

実際に体験した児童からは、「自分に自信がついた」「自然の素晴らしさと大きさを感じた」「友達の良さと人との協力の大切さがわかった」「やればできることを学んだ」「苦しくてつらいほどできたときの感動が大きかった」「失敗から成功を学んだ」という声が上がっています。

子供たちの大きな成長が示されていることが分かります。事実、IKRアンケート(独立行政法人国立青少年教育機構が実施)においても、全ての項目が上がっています。

人との結び付きが希薄な現代社会において、体験学習を通じて子供たちを育てることが、とても大切であるということを痛感しています。