(円卓)学校図書館の機能を十分理解して

(公社)全国学校図書館協議会顧問 森田 盛行

近年、これまでになく学校図書館が充実してきた。司書教諭とともに学校図書館の運営に重要な任務を果たす学校司書も学校図書館法に明記され、長年の課題であった法律上の位置付けが明確になった。

さらに、国の第5次「学校図書館図書等整備5カ年計画」により図書・新聞の購入、学校司書の配置が地方財政措置された。施設・設備も改善され、従来のような校舎の片隅にあり、暗く入りにくい雰囲気の学校図書館から、児童生徒の動線上に位置し、利用しやすく、明るく楽しい雰囲気にあふれた学校図書館に変わってきた。

運営内容も従来の読書中心から、学習センター機能・情報センター機能をフルに活用して学習活動を行う形にに大きく変わってきた。それに伴い、半分以上が文学で占められていた蔵書構成から、調べ学習に利用する図書の割合が増える構成になってきた。

さらに図書以外にも新聞やDVDなどのデジタル資料等も多く備えられるようになった。

このように、法整備も進み、まだ不十分ではあるものの、人の配置、図書・新聞の整備等、学校図書館充実の環境は整ってきた。

文科省の各種審議会の答申にも、学校図書館の活用がうたわれてきた。

次期の学習指導要領総則においても、学校図書館の活用がこれまで以上に重視されている。

では、この整備された学校図書館は、十分に利用されているのだろうか。

利用者の中心は児童生徒であるが、その前に教員が学校図書館の機能を十分理解した上でごく当たり前に学習活動に利用する、同様に管理職は学校経営に学校図書館を位置付ける、これらは当然のことではあるが、果たして学校図書館はそこまで学校に根付いているのだろうか。

学校図書館が機能を十分に果たすためには、管理職・教員が学校図書館の機能を十分理解し、信頼することが必要不可欠であるが、現状、一部の先進的な地域や学校を除けば、必ずしも十分とは言えない。

今後の学校図書館がさらに機能充実し、学校にしっかりと根付くようになるか、あるいは以前のような読書中心の学校図書館に戻るのか、これは学校図書館を活用する学習活動が目に見える成果を上げるか否かにかかっていると言えよう。