(円卓)持続可能な社会に向けた教育の役割

東京都多摩市立連光寺小学校校長
棚橋 乾


今年度から新学習指導要領の移行期となり、各小・中学校では実施に向けた準備を行っている。新学習指導要領では、育成すべき資質・能力の三つの柱として、「何を理解して何ができるか」「理解していること・できることをどう使うか」「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか」を示した。この「どのように社会・世界と関わり……」を見たとき、ESDに取り組んできた関係者は、これこそ持続可能な社会づくりと思ったのではないだろうか。総則などにある「持続可能な社会の創り手」という言葉を見て変化を感じた。

読み進めてみると、何をもって持続可能な社会の創り手とするのかは明示されていない。ESDが持つ概念としての大まかさに似た感がある。やはり、学校で工夫して取り組まなければならない。
持続可能な開発は、人類が避けることのできない重要な取り組みだ。国連の持続可能な開発目標SDGsが多くの立場から支持されているのも当然であろう。SDGsに取り組む企業や諸団体が増えた。学校教育に携わる者は、何に取り組んだらよいのか。持続可能な社会づくりに向けた教育の役割と言い換えてもよいだろう。

答えはESDにある。SDGsは明確な17の目標を示したが、頭にEducationが付くESDは、学習の目的、育成する資質・能力、指導計画・指導内容・指導方法、評価など、教育に携わっていないと分かりにくい。教育現場にいる者はESD推進の一役を担うべきだし、そのために学習指導要領もESDの後ろ盾にしたいと思う。

ESD実践校数は徐々に増え、充実した取り組みも増えてきたが、まだ少数派であることは否めない。

DESD(持続可能な開発のための教育の10年)開始の2005年から、長い移行期、または先行実施とも感じるが、取り組みの充実・発展には、ESD実践校間のネットワークがこれまで以上に必要となった。ESDの素晴らしさ大切さ、子供や大人の変容といった成果を発信しながら、ユネスコスクールを中心にESDネットワークの拡大に取り組みたい。

本校では、東京都教育委員会・多摩市教育委員会のESD研究指定校として、来年、研究発表会を開く。児童の意欲的で工夫された活動をご覧いただき、意見を賜りたい。