(円卓) 午前5時間制で学力向上

東京都目黒区教育委員会教育政策課 宮下 徹子

東京都目黒区教育委員会は、これからの時代に求められる資質・能力を育むカリキュラム・マネジメントの在り方に関する調査研究をしている。

小学校では、2020年度から外国語科が導入される。3年生から6年生までは、それぞれ授業時数が、年間35時間ずつ増加するる。各小学校では、学習指導要領に定められた内容を踏まえながら、児童の生活時間、教員の指導時間をどのように効果的に配分し、児童の生活や学びの質を高めていくか、創意工夫を凝らした取り組みを考えている。

このことを受け、目黒区教育委員会では、02年度から実施している午前5時間制のカリキュラムを見直している。午前5時間制は、午前中に40分授業5コマを実施し、午後は、45分授業1時間を学びの時間としている。さらに学力向上のための昼帯時間には、国語・算数の基礎基本の力の定着を図っている。この週時程であれば、何も変更せずとも35時間増は簡単に組める。新学習指導要領に向け、目黒区教委は区の施策としてこの午前5時間制のカリキュラムの拡充を進めているところである。

午前5時間制は、教員が40分でどのような授業を行うか、その質に成果がかかっている。まず、8分の授業の導入では、「考えてみたい」「やりがいがありそう」「自分にもできそう」など思えるよう工夫する。25分の展開では、子供が一方的に聞くだけで終わってしまう授業にならないよう仕掛けをつくり、思考力を育んでいく。まとめは7分。このような授業は、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた取り組みである。

午前5時間制の生活時程では、児童の下校時刻は15時ごろとなる。ゆとりある放課後も魅力の一つ。子供には、担任の先生とじっくり語り合ったり、個別学習をしたり、校庭で友人と遊んだりできる時間となる。 授業をつくり出す教員には、明日の授業の準備を、ゆとりを持ってチームで取り組むことができる大きなメリットがある。授業の質の向上、学校力向上につながる。

新学習指導要領に向けた授業時数の確保に対応できる午前5時間制の検証は、これから本格的に進めていく。

この実践研究については、9月27日に研究発表会を開催する。ご参会の上、批正くだされば幸いである。
(元東京都公立小学校長)