(円卓) デジタルと紙の併用で研さん

東京都文京区立第六中学校講師 岡田 春彦

勤務校の第六中学校では、どの教室でもほぼ毎時間電子黒板が開かれ、デジタル教科書(指導者用のデジタル教科書)が提示されています。

デジタル教科書を部分的に取り込んでオリジナルの教科書を作成し、提示して指導されている先生もいます。使い方は実にさまざまです。先生方おのおのが自分の指導方法に合った形で、電子黒板を活用している姿がうかがえます。

デジタル教科書は、指導者にとって使いやすく、便利な道具です。前の学年の内容を確認したいと思えば、すぐに前の学年の教科書を開くことができるし、他教科と関連する内容を指導するときも、すぐに他教科の教科書を開くことができます。豊富なコンテンツやシミュレーションは生徒の理解を助けるのに大変役に立ちます。しかし、その理解した学習内容を深めるには、生徒の実態に合った工夫が必要だと考えています。私の場合は、デジタル教科書とホワイトボードをバランスよく併用する、ただそれだけなのですが。

昭和の終わりからシミュレーションソフトを使って授業を行ってきた長い経験から、デジタル教科書は紙の教科書に比べて、生徒の理解を助けるのには有効ですが、見せるだけでは学習内容の定着度は上がりません。デジタル教科書は情報量が多く、いろいろなことが簡単にできますが、簡単にできる分、生徒の注意力は散漫になり、記憶に残りにくくなってしまうからです。

それを防ぐには、デジタル教科書で見たものを自分の言葉でノートにまとめ、それを発表し合い、みんなで共有することです。ノートに書きとどめておくのは、ホワイトボードに整理して書くということです。見せる、考えさせる、共有する、書かせる、をきちんと整理して指導することが重要です。これは、紙の教科書でも同じです。

これからタブレット端末の普及に伴い、学習者用デジタル教科書の整備が急速に進むでしょう。学習者用デジタル教科書は、個に応じたものですから、基本的には生徒一人一人が自分に合った使い方をすればよいわけですが、指導者として、指導者用デジタル教科書の活用方法だけでなく、学習者用デジタル教科書と、紙の教科書や指導者用デジタル教科書との併用などについても研さんを積む必要があると考えます。

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