(円卓)時間と自律

独立行政法人国立青少年教育振興機構理事長 鈴木 みゆき

文部科学省が公表した2017年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)結果の分析から、規則的な生活を送り、本や新聞などに親しむ子供は、親の年収や学歴が低くても学力が高い傾向にあることが明らかになりました。

以前から言われていたことですが、きちんとした食事や睡眠といった生活習慣はもちろん、「計画的に勉強するよう子供に促している」など親子の関わりの中で、時間の使い方の重要性が示されたのだと思います。

子供時代は家庭や周囲の大人の力を借りて、時間を知り、生活を作る経験が必要です。

その過程で「間に合った」「もっとこうすればよかった」と感じられる経験を積み、時間を有効に使う技や意識を身に付けていくのだと思います。

幼少期は、生活面でも時間の面でも大人に依存していますが、成長するにつれて、徐々に「自立」と「自律」を意識していきます。

生活や精神面で他者に依存せずにできるという意味での「自立」と、自分で規範なりタイムスケジュールを決め、さらにはそれに伴う他者との関わりにおける自身の気持ちなどもコントロールできる「自律」の両方を備えていくことが、成長の目安の一つだと考えます。

では子供を取り巻く環境が多様化している中、周囲の大人たちは何をすればよいでしょうか。

もちろん生活面でのサポートが必要な環境には、行政はじめNPOなどの応援が大切だと思います。

現在も多くの地域で、子供たちを応援する個人や団体のアツイ思いに触れ、こうした地に根ざした活動ができる体制を作ることが必要だと感じています。

同時に今を生きる子供たちがよりよい未来を創っていくためには、時間を知りコントロールしていく自律の教育が大切なのではないかと思います。

例えば、朝の食事のときに親子で1日の予定を話し合ったりとか、学校から帰宅したら寝るまでにやることリストを作って優先順位を決めたりど、24時間を意識してみるだけでも生活が変わります。

その中で基本的な生活習慣(食べる・寝る…)や学習、遊び、家事手伝いなど、子供たちが主体的に生活を彩る工夫ができるように支援していけたらよいのではないでしょうか。

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