(円卓)高校生水会議を終えて

渋谷教育学園渋谷中学高等学校副校長 高際 伊都子

スーパーグローバルハイスクール(SGH)事業が始まって、5年が過ぎようとしている。この事業の目的は、「将来、国際社会で活躍できるグローバル・リーダーの育成を図る」ために、「必要とされる国際的な素養を身に付ける教育」を行うこととなっている。

渋谷教育学園渋谷高等学校は、同幕張高等学校と共に、初年度からの指定校となっている。最終年度を迎えた今年の夏、そのまとめとして、国際高校生水会議を開催することとなった。世界18カ国から、29校43チームの高校生137人が日頃の活動成果を持ち寄り、水に関する講演を聞き、プレゼンや討議を行う。今回は初の日本開催となった。その準備に当たり、日本の高校生がグローバルを体感できる場にしたいと考えた。全ての会議を国連公用語である英語で行い、通訳はいない。参加する国のバランスを考え、日本人の参加者数も全体の2割程度とし、審査員も国内外から招いた。

会議を終えて感じたことは、二つある。一つは高校段階で英語習得が当たり前となっていることである。参加者の多くは、英語を母国語としないアジアや欧州の高校生だ。それでも討議やプレゼンは問題なく行っている。日頃の授業の成果だ。授業や学習の場での英語の活用は、日本でももっと求められるだろう。

二つ目は、挑戦することの大切さである。望んで会議に参加したものの、思うようにいかず、悔しいという気持ちを持った生徒もいれば、会議を楽しみ、そこで出会う仲間と語り合いたいという生徒もいた。会議は、それぞれが自己課題を見つけ、足りないものを自分で補おうとする挑戦の場でもあった。また、会議の運営には、多くのボランティア生徒が関わった。英語力にかかわらず、写真やコンピュータスキルなど、得意な分野での参加を募ったところ、多くの生徒が手を挙げたのだ。

日本も国際社会の一員である。国際会議とは自分たちが支える会議のことだという実感は、選ばれた者が参加する会議とは全く異なる印象を残す。国際社会で必要とされる能力は一律ではない。そこでは自分に何ができるのか、協力することで何が成し遂げられるのか、個々が考えなくてはならない。その経験がグローバル・リーダーを育てる一歩となる。高校生が参加できる機会が今後増えることを期待したい。

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