(円卓) 不登校児の夏合宿模様

開善塾教育相談研究所所長 藤崎 育子

開善塾では年間を通じて、不登校の子供のためのふれあい合宿を群馬で行っている。

通常は、家庭訪問を繰り返し、仲良くなった子供たちとする合宿をこの夏、初めて東北の地で行った。預かる子供は経験上、3~4人くらいが理想だと思っていたが、集まったのは長期欠席や、学校になじめずいる中学生が8人。大人は開善塾スタッフ、学校の教師、地域の方、学生など8人である。2泊3日の合宿で目指したのは、子供一人一人の自主性が少しでも高まるようにすることだ。

午後4時、「夕飯はギョーザとシューマイだよ」と言うと積極的な子供が「どうやって作るの?」と寄ってきた。合宿開始早々、出会ったばかりの子供と大人が16人分の食事の支度をする。

ギョーザを目の前で包んで見せて、1人ずつ教える。8人のうち、積極的な子とそうでない子が当然出てくるが、大人から作業に誘ったりすることない。

ある子は横で頬づえをつきながらも、熱中する他の子供の手元をじっと見つめていた。すると道具に手を伸ばし触り始めたので、調理スペースを作ってやった。「どうするの?」と聞いてきたので教えると、シューマイを包み始めた。

就寝前、「明日の朝食は何時?」と子供が聞いてきた。「7時だよ」とだけ返す。

翌朝6時。半数の子供が起きて部屋を掃除し、7時には食事を終えていた。他の子も7時半には食べ終わっていた。

親がその様子を見たら、驚いただろう。朝起こしても起きようとしない。手伝ってと頼んでも嫌だと言ってスマホばかりいじっている――のが親たち共通の悩みだったからだ。

食事どき、「野菜は苦手」「食べたくない」と言う子がいた。まねをして食べようとしない子もいたが、皆で食卓を囲むと自然と食べるようになった。

ドラム缶風呂のまき割りの後の夕食のメニューは、ちらしずしにお座敷串揚げ。色とりどりの具材を串に刺す。その数300本。子供たちは皆根気強く取り組んだ。自分で串を揚げることに最初はおっかなびっくりだった子も次から次へと揚げては食べていた。仲間と作った夕飯の味は格別だったに違いない。

3日間の合宿はあっという間だった。「帰りたくないな」「一週間でも平気だな」と言いながら、子供たちは荷物を背負って元気に帰っていった。