(円卓)ESD推進のための質問

日本ESD学会副会長 手島 利夫

ESD推進について、議会での質問方法をこっそり教えています――。

文科省は、新学習指導要領に前文をつけ、「持続可能な社会の創り手」育成に向けた「理念」まで明示しました。しかし、法的拘束力があるにもかかわらず、現場の意識は大変薄く、見せかけだけの対応で済ませている教育委員会や校長先生方が多いのが現実です。

それに業を煮やした議員の皆さま方が、教育施策のどこに問題が隠れていて、どのように質問したらいいのか、私のところに次々に聞きに来るようになりました。

そこで、『ESD議会質問マニュアル』というものを作って助言しています。

概要は、次の通りです。

(1)教育振興基本計画に「持続可能な社会の創り手の育成」等を掲げていますか。それとも明治以来の「知・徳・体」で済ませていますか。

(2)目標や基本方針に「生きる力」「生き抜く力」を掲げていますか。それとも「学力向上」至上主義ですか。

(3)施策に向けて「確かな学力」を掲げているとして、それは「基礎学力の向上」を意味するものではありません。「思考力・判断力・表現力」等の育成の意味で書かれた施策になっていますか。

(4)指導観・指導法の改善・工夫として、「主体的・対話的で深い学び」、つまり問題解決的で協働的な学習を目指していますか。それともベテラン教員を活用した「教え込み技術」の伝承や「少人数指導」で基礎・基本の徹底を目指すものですか。

(5)カリキュラムマネジメントとして、「ESDカレンダー」の作成か、それ以上の教科横断的な指導計画を作成して明示していますか。

(6)各学校の「教育課程」に上記のことがどれだけ記述されていますか。そして、年度末の学校評価でどれだけ検討・改善が進んでいますか。

(7)これらを校長、副校長、教頭あるいは教務主任等に対してどの程度指導をしていますか(文書資料があるなら示してもらいましょう)。

そろそろ、厳しい質問が始まります。住民の誰もが納得する教育理念と施策をもって、未来を切り開くご対応をお願いしたいものです。

(NPO法人日本持続発展教育推進フォーラム理事)

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