(円卓)いじめは大人の問題

NPO法人ジェントルハートプロジェクト理事 小森美登里

私は20年前、一人娘の香澄(15歳)をいじめ自殺によって失いました。その後、いじめに特化した活動を続けていますが、残念ながらSNSの普及によって、いじめはより複雑で深刻化しているように感じられます。

そのような状況の中、心深く傷つき、残念ながら生きる気力まで奪われている子供は後を絶ちません。

なぜ、私たちはこの問題を解決することができないのでしょうか。

それは、「いじめ問題は、いじめが発生している子供たちの問題、それを指導するのが大人」という間違った図式となっているからではないでしょうか。

いじめは子供の問題ではなく、いじめを生み出している大人の問題であるのです。

そのように大人の間違った認識を転換し改善することが急務です。

一つの例として、多くの大人が子供たちに「やられたらやり返してよい」と、やり返すことをまるで強さの象徴として教えていることがあります。しかし、やり返すことによって小さな問題は一気に重大事態へと発展しています。

そして、さらに問題なのは、発生してしまった、その重大事態に関わった人々が、真実に向き合うシステムが構築されていないことです。

いくら、いじめ防止対策推進法があっても学校の隠蔽(いんぺい)や虚偽報告は今も野放し状態で、多くの情報が行政によってコントロールされています。真実を知ることができない被害者や遺族となった人々は、「ならば第三者に調査を依頼する」という外部への委託という流れになります。

しかし、「第三者調査委員会」は「第三者」でしょうか。行政との利害関係はないのでしょうか。地元の人は居ないのでしょうか。本当にいじめ問題の専門家ですか。学校は重大事態発生直後にアンケートはしましたか。したとしたら全て調査委員会の手元に届けましたか。他の必要な書類はどうでしょう。委員の権限は十分あるでしょうか。被害者が要望した調査委員会ですが本当に機能しますか。

大人のいじめに対する認識と対応の間違いが、不毛な調査委員会立ち上げや民事裁判と実はつながっているのではないでしょうか。今、大人が子供たちと一緒に学ばなければ、子供たちの心と命は守れないのです。