(円卓)働き方改革は仮説検証型実践研究で

中国学園大学副学長 住野 好久

先日、東京都の教員採用試験(小学校全科)の倍率が1.8倍だったと報道されていた。教員採用試験受験者は全国的に減少している。若者にとって教員の仕事はきつく、長時間労働を強いられるものであり、魅力的な職業になっていないことの反映と思われる。教員の働き方改革を思い切って進めることが緊急に求められている。

教員の働き方改革のポイントは、教育活動以外の仕事を削減することと、教育活動の量より質の向上に努め成果を上げることと考えている。

しかし、量を減らすためにこれまでやってきた教育活動をやめることには大きな抵抗感が伴う。

例えば、「授業担当のない時間の学校内巡回」は「これで生徒の荒れを未然に防いでいる」という自負があって、授業準備などの時間が奪われてもやめられない。「運動会の組み体操や応援合戦、スタンツ」は「これがクラスの団結や人間関係を築いている」という思いがあって、そのための準備や指導に時間と労力を奪われていてもやめられない。

だが、こうした理由付けは本当に正しいものなのか。

教員はこれまでの経験の中で獲得してきた考え(いわば「素朴教育理論」)を検証することもなく、無批判に適用しがちである。しかし、そうした素朴な考えはあくまでも一つの「仮説」である。それらが本当に成果をもたらしているか、検証する必要がある。

校内研究において、研究テーマに迫るにはどう実践すればいいのかを仮説として設定し、実践を通してその有効性を検証する方法は広がりつつある。

この方法をとることで、研究テーマに向けた実践をすることではなく、実践するための手だてを明らかにすることが研究となる。研究過程は焦点化され、研究成果は教育の質を上げるための手がかりとなり、成果のない実践の繰り返しからの離脱をもたらしてくれる。

仮説の検証は、アンケートなどによる量的な方法だけではなく、目指す子供の姿を明確にし、その姿がどのように、どのくらい現れたのか、事実を収集することによっても可能である。

こうした仮説検証型の実践研究を、校内研究だけではなく日常的に取り組み教育の質を上げることこそが、働き方改革の中で取り組まれるべきと考えている。

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