(円卓)外国人労働者受け入れ拡大

神奈川県ユネスコスクール連絡協議会事務局長 望月 浩明

外国人労働者の受け入れ拡大が話題となり、来日する人々の生活条件をどう整備するかが大きな課題になっている。

既に国内の学校教育現場では、外国にルーツを持つ子供たちの教育が大きな教育課題となって教員たちを悩ませている。

現在、全国の公立小中高校などには4万人以上の日本語教育が必要と判断される子供たちが在籍し、ボランティアの支援なども受けて学んでいる。小中学校では一般に国際教室などを設置して対応しているが、高校ではどんな取り組みが行われているのかを体験を基にお話ししたい。

外国にルーツを持つ生徒が多い神奈川県、東京都などには在県・在京外国人のための特別募集枠があり、募集条件にかなう生徒を対象に、指定された学校が受け入れている。条件から外れる生徒も多く、そうした場合は定時制へ入学する生徒も多い。

私も募集枠のある高校で教えた。一般的には国語、社会、理科などの教科で少人数の「取り出し」授業を行う。きめ細かい指導のように思えるが、漢字の読める中国の生徒、読めない中南米からの生徒が混在するなど、教える側の負担は大きい。

教科書も一般生徒と同じものを使用する。内容の理解はかなり難しい。日本史を教えた際、支援団体の方が作成してくれた、漢字にルビをふり、さらに中国語、英語訳を併記した副教材を用いたが、生徒に好評だった。

日本語指導の教員たちから「例えば拠点校を設置し、そこである程度日本の学校のシステムを学び、日本語が身に付いた時点で随時、一般校に通うようにした方がその後の学習に効果的」という声をしばしば聞く。小中学校ではそうした学校が各地で既に設置され始めている。

高校の取得単位を柔軟に扱えるようにし、一定期間学んだ拠点校で取得した単位を転校先の学校でも認めるなど、思い切った制度の改革を考えていく必要があるだろう。

オーストラリアには入国後間もない生徒たちが集まる特別高校がある。そこで英語や各教科を学び、一定期間経過した後に一般高校へ転学する。保護者などもボランティアで参加し、母語の会話ができる環境もできている。こうした事例も参考にしつつ、外国にルーツを持つ子供たちの教育環境の整備を急がなくてはならない。