(円卓)障害者の雇用問題

国際人材総合支援機構サービス管理責任者 清野 佶成

最近、東京、神奈川、千葉、埼玉の知的障害の特別支援学校高等部を約20校見学した。特に就職に関係のある職業、作業学習などの授業を中心に見させてもらったが、生徒が大変真面目に取り組んでいる姿に感動した。訪問の目的は、知的障害のある生徒の卒業後の進路、特に企業就職状況を把握することであった。行政機関、企業の積極的な支援、学校の進路指導の先生らの指導、努力で、企業就労が伸びてきていることを知った。

8月下旬、中央省庁の障害者雇用の水増しが発覚し、障害者雇用上、障害者と認められない人を障害者とカウントして障害者雇用率を達成していたことが分かり大問題になった。率先して障害者雇用率を各企業に達成するように働きかける行政が、水増して達成していたことは、残念でならない。

この障害者雇用は、障害者雇用促進法(正式名称は、障害者の雇用の促進等に関する法律)で定められているもので、身体障害者、知的障害者、精神障害者を一定割合以上雇用することを義務付けた法律である。目的は障害者の雇用機会を広げ、障害者が自立できる社会を築くことにある。1960年の「身体障害者雇用促進法」の制定に始まり、障害者の雇用は事業主の努力目標から76年に法的義務に、98年には身体障害者に加えて知的障害者の雇用が義務化された。さらに2013年改正で、18年4月より雇用義務の対象に精神障害者が入ると共に、法定雇用率が▽民間企業2.2%▽国・地方公共団体等2.5%▽都道府県の教育委員会2.4%――に引き上げられた。さらに対象となる事業所の規模が従業員45.5人以上に広がった。このことにより当然中央省庁はこれを達成しなければならず水増しをしたのであろうか。この問題に対して第三者検証委員会が設けられ、全省庁に対しヒアリング調査を行うことになりその結果が待たれる。また全国自治体も同様のような水増しがあることが分かり厚生労働者が調査することになっている。いずれにしても障害者雇用は、雇用の数だけでなく、いくつかの問題がある。まず障害者の特性の理解がある。これがなされないと、受け入れは決して増えない。仕事の切り出し、仕事場の人間関係、コミュニケーションなどがある。また就労が継続できるように定着支援が必要である。

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