(円卓)SDGs時代に求められるグローカル教員

東京都市大学教授 佐藤 真久

「持続可能な開発目標」(SDGs)が、2015年9月に国連総会で採択された。SDGsは、16年から30年までの国際目標で、開発・環境アジェンダが含まれる17の目標と169のターゲットから成る。

筆者は、SDGsの時代背景について、①「ミレニアム開発目標」(MDGs:2001―2015)の時代と比較して、世界が直面する問題・課題が大きく変化(貧困から貧富格差へ、気候変動、自然災害、生物多様性喪失、エネルギー問題、社会的公正、高齢化)している点②VUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代への状況的対応が求められている点――を指摘している。

また、世界観については、①「地球の限界」に配慮をしなければならないという「地球惑星的世界観」②「誰ひとり取り残さない」という人権と参加原理に基づく「社会包容的な世界観」③「変容」という異なる未来社会を求める「変容の世界観」――があるとしている。

さらに、特徴については、①「複雑な問題」への対応(テーマの統合性・同時解決性)②「共有された責任」としての対応(万国・万人に適用される普遍性・衡平性)――を挙げている。

とりわけ、SDGsにおける「持続可能な開発のための教育」(ESD)の役割は極めて大きい。ESDは、SDGsの全目標の達成に資するものであり、SDGsの第4目標「質の高い教育」の充実に資するものである。

これら、SDGsの時代背景、世界観、特徴をふまえ、世界(グローバル)と地域(ローカル)の文脈を大切にし、関連付ける「グローカル教員」による、質の高い教育を行うことが期待されている。国や自治体、教員養成大学、学校を含む教育関係組織は、このようなグローカル教員を養成するための仕組みづくりと研修プログラムの拡充を急ぐ必要がある。

国際協力機構(JICA)の実施する「教師海外研修」や、JICAと文部科学省が実施する「JICA海外協力隊・現職教員特別参加制度」などの国際協力事業への参加を通じた人材育成プログラムのさらなる拡充も必要とされている。日本国内にいても、グローバルな感覚が身に付く教員養成・研修プログラムの拡充も必要だろう。SDGsの時代、地球と地域に貢献するグローカル教員の養成が急がれる。