(円卓)時代が変わる、学校教育も変わる

教育新聞論説委員室顧問 佐野 金吾

新天皇が即位され元号は「令和」に改められた。学校教育もまた改訂された学習指導要領によって新たな活動が始まっている。

学習指導要領の改訂は常に社会の動きに対応しているが、このたびは学校教育と社会とのつながりを重視した「社会に開かれた教育課程」を理念としている。学校教育で身に付けた資質・能力が社会の形成に資することを願ったものである。

社会はICTやAIを取り入れることによって急激な変容を遂げつつある。一方、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少は、経済界の各部門で人手不足という課題を突き付けている。教育界も同様で児童生徒数は減少し続け、地域によっては学校経営に支障をきたす状況であり、教員志望者も全国的に減少傾向だという。

学習環境もICTが教室で日常的に活用されるなど大きく変容しつつある。児童生徒数と教員志望者の減少、ICTの進展と普及は学校教育の在り方の変革を求めているが、地方財政は厳しく、社会の変容に対応した学校運営は困難な状況にある。

そこで、国立大学では既に取り組みが進んでいるが、公立学校にも独立行政法人化の導入を提案したい。例えば、独立行政法人化した1学年4学級以上の規模を持つ義務教育学校や中等教育学校を各地域の拠点として設ける案である。一定規模以上の学校とすることで教職員の適正配置やICTを取り入れた適切な施設・設備の設置など教育環境も整えられるし、資質能力に応じた処遇によって優れた管理職や教員などの人材を募ることもできる。

こうした変革を実現するためには、さまざまな法の整備や財政的な支援策などの課題が生じると考えられる。しかし、「令和」時代を迎えて新しい学校教育を創り出そうとするならば、今後、学校教育が当面するであろう諸課題に対応できる思い切った取り組みが必要となる。

特に「令和」時代にはSociety5.0に遭遇することになる。これまでのように関係法令を一部改訂するといった手直し的な取り組みではなく、これからの社会における学校教育の役割、学校の配置、教職員構成と子供たちの学習環境などがSociety5.0に相応したものとなるような教育改革を期待している。

(元全日本中学校長会長)

関連記事