フランスの耳鼻咽喉科医師アルフレッド・トマテス博士は、「人は、耳で聞き取れない音は発音できない」と言った。音を聞き取れない人は、言葉を発することができない。このことは、発声言語によるコミュニケーションができず、生活に困難が生じることを意味する。これを解決するのが教育の課題である。

前回、LD問題は、保護者、研究者、行政が共同歩調で施策を作り上げていった初めての例となりました、と結びました。実は、この共同歩調者にはもう一つ、都議会議員の支援があったことを忘れてならないと思います。

引き続き、就学の視点から障害について考えてみたい。第6回で、特別支援学校の対象とする障害と程度を、学校教育法施行令第22条の3の表を掲げた。 視覚障害者の特別支援学校(盲学校)の対象障害は、視覚障害で視機能が低下して通常の教育等での学習が困難である場合である。視機能の、視力、視野、光覚などの各種機能に障害がある場合、教育上の特別な支援や配慮が必要になる。特に両眼とも視機能が低下して、現状以上の視機能の回復が困難な場合、視覚障害と考えられる。

加藤康紀・創価大学准教授 就労支援と教科学習のバランス 本人の「学ぶ喜び」を Q 特別支援学校の高等部(知的)に入って2年目になります。就労にかかわる学習と教科学習のバランスで悩んでいます。私の専門は中・高の英語ですが、特別支援学校教諭免許も取りました。実は、私の弟は特別支援学校の卒業生です。清掃技能検定を受け就労したのですが、意欲をもって仕事をしていません。しかし、家では英語は好きで楽しんでいます。私の学校でも、3年生は就労を目指して、多くの時間作業学習等に取り込んでいますが、意欲の低い子もいます。私は、障害のある子どもにもっと教科の学ぶ楽しさを経験させてあげたいと思っています。 A 通常の学校の高校生は教科学習をしているのに、特別支援学校の子どもたちは就労のために作業学習をしている。もちろん、特別支援学校の教育課程がそうなっていると言えばそれまでですが、あなたは、身近なきょうだいの実際を見て親身に、もっと学びを楽しめたらいいのになあと思っていらっしゃるのですね。  就労は社会で自立し生きていくために大事なことです。特に特別支援学校の高等部では、障害のある子どもたちの将来の自立、社会参加のために、キャリア教育・就労支援の充実に多くの時間を取っています。しかし、教育の目的は就労にあるのではありません。  個人の「人格の完成」、また「心身ともに健康な国民の育成」を目指すことです。個々の児童の知・徳・体のバランスのとれた「生きる力」を育むと言うこともできます。  あなたの視点はとても大切な視点です。「学ぶ喜び」は、「生きる喜び」となり、その子の「幸福な人生」の基盤となるからです。  そこで、あなたは英語を担当しているとのこと、次の3つの側縁から「学ぶ喜び」をアプローチしてはいかがでしょうか。  1つは、個々の子どもの教科的な関心に応える授業をすることです。少ない時間かも知れませんが、英語の時間自体を充実させ楽しくするのです。  各校によってさまざまですが、英語が特設されているのであれば指導計画を明確にし、ICTの効果的な活用、ALTなどとの密接な連携なども進めるべきです。  2つは、作業学習と教科との融合をはかることです。これは実際にファストフード店で行っている事例もあります。「…サンド、スリー」「…ハンバーグ、プリーズ」など、数や名称に関する言葉を英語で使います。やはり、使ってみることが意欲につながります。  子どもによっては、清掃活動でも指示を英語にしたら意欲の出る場合もあります。  3つは、保護者との連携をはかることです。保護者の励ましや称賛は、子どもたちの最高の支援になります。宿題や家庭学習も学校と家庭が連携しあうことで、より効果が出ます。  学校によっては障害の程度を類型化して、重度のクラスでは英語を教えていない場合もあります。しかし、英語は言葉であり、コミュニケーションツールでもあります。心を込めて「ハッピーバースデイトゥユー」の歌を歌えば、立派な英語を使った学びになりますね。  (加藤康紀・創価大学准教授) 連載一覧へ

就学の視点から特別支援教育の障害について考えてみたい。   特別支援学校、特別支援学級、通級による指導、通常学級等の就学を、障害の程度の視点から、どう考えたらよいのであろうか。

今回からは、特別支援教育への移行の契機となった発達障がい問題の25年を振り返りたいと思います。

平成9年4月、国の指導も意にかえさず、「東京都立あきる野学園」は開校しました。同じ年に、三重県立養護学校北勢きらら学園が開校しています。当時の北川知事のアイデアなのか、南大沢学園に習ったのかは、定かでありませんが、学校教育法第一条に従い、養護学校の名称を入れています。

医療・教育・福祉の関係から障害について考えてみたい。 現在、日本の医学の診断は、米国の診断基準による場合が多い。2013年、米国精神神経学会は、精神疾患の診断基準「DSM」(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)を改定し、その第5版(DSM―5)を出した。これを受けて日本精神神経学会は昨年5月に、日本語病名の「用語翻訳ガイドライン」を発表した。

引き続き、通級による指導対象の障害について考えたい。  通級による指導は、小・中学校の通常学級に在籍している軽度の障害のある児童生徒に、通常の学級での各教科等の指導を行いながら、障害に応じた特別の指導を特別の場で行う特別支援教育の一つの形態である。

最近、「学園」を校名とした特別支援学校が増えてきましたが、先行的な施策は、平成8年4月開校の東京都立南大沢学園養護学校でした。

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