高校でも日本語指導で取り出し授業 検討会議の論点整理案

外国にルーツのある生徒の高校における日本語指導の制度化を議論している文科省の検討会議は7月19日、第3回会合をオンラインで開き、これまでの議論を踏まえた論点整理案について協議した。論点整理案では、小中学校と同じように、高校でも日本語指導が必要な生徒を対象に取り出し授業を行う「特別の教育課程」を編成できるようにする考えを示した。

論点整理案の内容について協議した検討会議第3回会合(YouTubeで取材)

論点整理案では、高校で日本語指導のための特別の教育課程を実施可能にすることで、それぞれの生徒の日本語能力や状況に応じたきめ細かな指導が実現し、中途退学の防止や卒業後の進路選択の充実、グローバルな視点を持った人材育成につながることが期待できると強調。外国にルーツのある子どもたちが、将来にわたり日本で生活し、共生社会の一員となることを前提に、関連施策の制度設計を行う必要があるとした。

高校で日本語指導の特別の教育課程を編成する場合は、小中学校と同様に、生徒の日本語能力に応じた指導を一定時間、別室で実施することをベースとするが、高校の必履修教科・科目との関係を検討したり、中学校までの日本語指導の内容や個別の指導計画との連携などを考慮したりする必要があるとした。

また、特別の教育課程で日本語指導を担当するのは、日本語教育に精通している高校の教員が望ましいとしつつ、外部人材を活用することも有効であるとし、高校は日本語指導や外国人生徒の支援の担当を校務分掌に位置付け、管理職や担当教員が中心となって、教育委員会やNPOなどとも連携した指導体制を構築し、キャリア教育や多文化共生などの包括的な支援に当たることが重要だとした。

この日の会合では、この論点整理案についてさらに検討を行った。子どもと生活文化協会総括コーディネーター・多文化共生教育ネットワークかながわ事務局長の高橋清樹委員は、すでに日本語指導を目的にした学校設定科目を設けている高校がある中で、「特別の教育課程がないと外国人生徒の日本語指導に対応できない」というような誤ったメッセージにならないようにすべきだと指摘。「特別の教育課程をかなりの高校が取り組むには、推進力となる予算や人がないと難しい」と、国による予算措置やスーパーバイザーなどのサポート体制の拡充を求めた。

神奈川県立座間総合高校校長の額田豊一委員は、来年度からの高校の新学習指導要領への移行を踏まえ、「必履修科目をちゃんと履修しないと高校は卒業できないが、例えば高校の必履修科目である『現代の国語』を特別の教育課程でどう扱うか。日本語指導の必要な生徒にいきなり『現代の国語』を教えるのは難しく、日本語指導を読み替えることが可能なのか」と問題提起した。

検討会議では8月末に予定されている次回会合で、論点整理案にこれらの意見を反映させた報告書素案を提示する予定。

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