教育の情報化人材育成が課題 富士通総研が自治体を調査

教室の無線LAN整備を検討

全国の自治体で、教育の情報化に向けた専門家の育成ができていない――。そんな現状が、富士通総研の調査で明らかになった。普通教室のICT環境整備については、無線LAN整備やタンブレット端末の配備などを検討しているとの回答が多数を占めていた。その一方、政府は平成29年度までに、3.6人に1台のコンピュータなどの配備目標を掲げている。この数値を達成しようとする意図は、調査結果にあらわれていた。

「教育の情報化に関する取組・意向等の実態調査」は、全国の教委を対象に実施され、739自治体から回答を得た。

教育の情報化に関する人材育成に関しては「育成できていない」との回答が86%に上った。「計画的に育成できている」としたのは6%で、1割にも満ちていなかった。

専門部署については、15%が設置していた。専門部署はないが、担当者を決めているのは49%で最多を占めた。ICT環境整備に関して尋ねたところ(複数回答)、タブレット端末の配備(更新)を検討しているのは64%。次いで無線LANが57%であった。

これらの質問項目に関連して、普通教室に無線LANと児童生徒に1人1台のタブレット端末の整備を検討していると答えたのは49%で、過半には及んでいない。整備しているは3%と非常に少ない現状が浮き彫りとなった。検討していないのは42%であった。

自治体のなかでは、1人1台のタブレットを活用して「電子黒板に児童生徒の考えを一覧表示でき、考えを深めることができる」とした肯定的な意見があった。その一方で、「コストに見合った教育効果を示す根拠が少ない」との声も聞かれた。
 
また個人所有のタブレットなど授業で使用する「BYOD」については、否定的に数値が見受けられた。教委がメーカーと機種を指定して購入するケースでは、小学校94%、中学校93%が「可能性なし」と回答した。高校では60%、特別支援学校では57%が同様の答えを示した。

自治体からは小・中学校のBYODに「保護者に購入を依頼できない」「想像できないトラブルが発生する」などの意見が相次いでいた。

ICTを活用した授業の状況に関しては、学習効果として期待しているのは「学習意欲を養う」が最も多く63%。次いで「知識・技能を活用し、表現する力」52%、「協働的に学ぶ力」49%と続く。

各教委で全小・中学校がICTを活用している科目では、調べ学習などが多い総合的な学習の時間が41%で最多となった。次いで理科38%、外国語(英語)37%の順となった。

関連記事