学校教育をめぐる「当たり前」。いま、それらの意義が問われている。
たとえば今年3月、東京都足立区の公立中学校が行った性教育をめぐり、都教委は「中学生の発達段階に合わない」 として、区教委を指導。
一方、区教委は「都教委の意見は真摯に受けとめる」としながらも、授業に問題なかったとの認識を示した。
さらに、メディアでも大きく取り上げられた、中央区立泰明小学校。
高級ブランドがデザインした標準服の導入を決定した。
これらの「当たり前」を、私たちはどのように考えていくべきなのか。
本特集では、学校教育を取り巻く「当たり前」に焦点を当てる。
性教育 タブーの意義を問う
性教育を取り巻く議論は、これまでにも幾度となくなされてきた。
2002年、「保健」が小学3、4年生に繰り上げられた一方、都立七生養護学校で実施されていた性教育について、都議が過激だと批判したことを機に教員が処分される事件が起きた。
「性器の名称を教えることは不適切」とした都教委は04年に「性教育の手引き」を改訂したが、13年には都議3人と都に賠償命令が下った。
学校現場と教委、そして政治的介入。
「望まない妊娠や性感染症を防ぐこと」を第一とする性教育ではなく、「命の大切さを知り、自分を守ること」を目指す学びにするため、
子供の性をめぐる問題を専門的に研究する識者が、4回にわたりそれぞれの立場で「タブーの意義」を問う。
新制服の教育目的は達成されたのか?
中央区・銀座の“一等地”にある中央区立泰明小学校。
明治11年に設立された同校は、区から「特認校」に指定され、児童らは通学区域に関係なく、希望により就学できる学校だ。
中央区・銀座に位置し、文豪・島崎藤村が在籍したほか、麻布中学校などへの進学者を多数輩出する“名門小学校”としても知られる。
同校が全国から注目を集めたのは、2018年4月入学者から、有名ブランドがデザインする標準服を導入したことだ。
学校外でも賛否両論が交わされ、「標準服とは何のためなのか」という問いを私たちに突き付けた。
導入から数か月が経ち、いま、泰明小学校ではどのような様子なのか。
和田学校長に、独占インタビュー。