作文部門の応募作品は約2200点。審査の結果、文部科学大臣賞はオランダ・アムステルダム日本人学校の川島藍さん(5年)に贈られることになった。このほか、最優秀賞は、長野県長野市立共和小学校の平澤綾さん(5年)ら4人に、優秀賞は、福島県会津若松市立城北小学校の渡邉結菜さん(5年)ら5人に、佳作は、愛知県一宮市立浅井中小学校の森光紗世さん(6年)ら10人に贈られた。
新聞部門の応募作品は約1100点。その中から、みそ健康づくり委員会委員長賞が広島大学附属小学校の菊地紗良さん(6年)に、優秀賞が茨城県境町立猿島小学校の尾崎智優さん(5年)ら8人に贈られた。
学習指導要領に基づく小学校家庭科の調理実習では、みそ汁の調理が行われるが、「伝統食、優れた健康食としてのみそについてより一層認識を深めてもらおう」と、みそ健康づくり委員会が副読本「食べてみよう!調べてみよう!おみそ」(監修櫻井純子元文部省主任視学官)を過去31年にわたり刊行。2023年度は、全国の小学校を対象に約33万部を無料配布した。
今年の作品について審査委員長の田中孝一氏は、「副読本を読んで、改めてみその良さに気付いたり、関心を持ってさらに調べたりした様子が、作文にうまく表現されている。子どもたちの情報や知識を活用する力が、一段と向上しているように感じた」と述べている。
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《文部科学大臣賞受賞作品》
私は、みそ汁が大好きです。夜ご飯では、みそ汁をよく食べます。私の家のみそ汁は、実がたくさん入っています。だから、「飲むみそ汁」よりも「食べるみそ汁」の方が合っています。じゃがいも、玉ねぎ、白菜、人参、きのこ……実がたくさん入って「食べるみそ汁」。そんなみそ汁が、私は大好きです。
みそ汁が好きな理由。それは、体が温まってほっとするから。野菜をいっぱい食べられるから。テーブルにならんだ時のあの香りは最高です。副読本では、私の知らなかったみその良い所をたくさん学べました。例えば、生ぐささを消したり、食品を長持ちさせたりする働きがあるということを知ることができました。ますます私は、みそ汁が好きになりました。授業で、みそ汁の作り方も習ったので、家で練習しています。今日は、白菜、ねぎ、人参、じゃがいも、油あげの実。次は、大根、人参、ねぎ、玉ねぎの実。毎回いろいろな組み合わせのみそ汁はおいしいです。ただ、私の住んでいるオランダでは、近くのスーパーで大根やとうふやわかめや油あげをかん単に買うことができません。それなら、オランダのスーパーにある野菜を使えばいい! ズッキーニやポロネギを実にしてみました。みそは、そんな全ての野菜をまとめてくれました。本当にすごいです。
私がひっこしてきてから仲良くなったオランダの友達がいます。友達も友達の家族も、日本のことが好きで興味をもってくれます。すしは、とても人気があります。でも、日本にはまだまだおすすめしたい料理がたくさんあります。その料理の一番は、なんと言ってもみそ汁です。でも、まだ私の大好きなみそ汁を友達に紹介できていません。
私は、このオランダで手に入る野菜をたくさん使って、オランダでしかできない「オランダのミソスープ」を作っていきたいです。