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ニュース NEWS

文科省汚職事件の贈賄側から高額の接待を受けて国家公務員倫理規定などに違反したとして、同省は9月21日、戸谷一夫事務次官、髙橋道和初等中等教育局長、義本博司高等教育局長を懲戒処分にした。戸谷、髙橋両氏は辞職願を出し、同日の閣議で辞職が承認された。昨年1月に天下り問題で辞職した前川喜平前事務次官に続き、2代続けて事務方トップが任期途中に引責辞職する異例の事態に発展した。   菅義偉官房長官は21日の記者会見で、戸谷氏の辞職について「文科事務次官が2代続けてこうした形(の不祥事)で辞職することになったのは誠に遺憾だ。……

元コンサルタント会社役員の谷口浩司被告の黒いネットワークは一体どこまで文科省を侵食しているのか――。前科学技術・学術政策局長の佐野太被告、国際統括官の川端和明被告の逮捕・起訴という前代未聞の汚職事件は、別の幹部複数も谷口被告から高額な供応接待を受けていたことが省の内部調査によって明らかとなった。9月21日、谷口被告から接待を受けていたとして、戸谷一夫事務次官、髙橋道和初中局長、義本博司高等教育局長の3人が懲戒処分となり、戸谷事務次官と髙橋局長は引責辞職に追い込まれた。 髙橋局長は辞職直後、記者団に対し持論を展開した。……

文科省は9月20日、都道府県教委に通知を出し、長期間学校を欠席しなければならない病気療養児が、病院や自宅からインターネットなどを介してリアルタイムに学校の授業に参加することを出席扱いにできるようにした。 すでに一部の小・中学校で病院や自宅で療養中の病気療養児への学習支援として、インターネットによる同時双方向型授業配信の取り組みが始まっている。……

「算数は苦手だけど、パソコンを使う時は楽しい」――。授業の終わり、男子児童が胸を張る。屈託のない笑顔から達成感があふれ出ていた。 相模原市立新磯小学校(青木正利校長)で9月20日、プログラミングを活用する5年生の算数の授業が公開された。……

貧困状態の子供を見つけたときに「十分な対応を取れるか分からない」と答えた教員が半数に上ることが、認定NPO法人「フードバンク山梨」(米山けい子理事長)の調査で分かった。米山理事長は9月20日、文科省を訪問し、林芳正文科大臣と宮川典子大臣政務官に大学の教職課程に貧困に関する科目の導入を要望した。 同団体は2016~17年に山梨県内の学校の教員や保育士、支援世帯を対象に子供の貧困の実態調査を実施した。……

神奈川県教委は9月19日の県議会本会議で、特別支援学校に「分身ロボット」を導入する方針を明らかにした。病気で通学が困難な児童・生徒が、教室に行かなくても実際の教室にいる感覚を持てるように支援するのが狙い。9月中にも実証実験に入る。 県教委によると、病室にいる子供がタブレット端末を操作することで、教室内の分身ロボットを通じて授業に参加する。……

ニュース解説 COMMENTARY

eye-catch_1024-768_chichibu国立教育政策研究所研究企画開発部総括研究官 千々布敏弥

私が複数年関わって何の成果も得られなかった学校がある。1校ではない。あまりの失敗事例の多さに閉口し、赤面するのだが、この問題から逃げるわけにはいかない(というよりも、現在取り組んでいる研究のメインテーマになっている)。 学会仲間に失敗事例の経緯をかいつまんで告白すると、「なぜそんな学校に通ったのか」と非難される。多くの研究者は授業研究に関する自らのテーマを定めており、それにのっとった校内研究テーマを目指す学校に関わっている。 私は学び合いをテーマにして学校に関わっているのだが、学び合いに取り組みたいと考えて私にアプローチをかけてきた学校であるにもかかわらず、なかなか成立しないことが多い。……

妹尾写真教育新聞特任解説委員 妹尾昌俊(教育研究家、中教審委員)

■英語専科等の加配は10校に1人?
8月末に各省の2019年度概算要求が公表された。 おそらく教職員や教育委員会関係者にとって、最も関心が高いのは教職員定数であろう。小学校の英語専科で1000人、中学校生徒指導の強化で500人、共同学校事務体制強化で400人(事務職員)、主幹教諭の配置で100人の増員を目指した内容となっている。 厳しい財政事情の中、文科省も頑張ってはいるが、正直、現場感覚からすれば、失望だろう。……

教育新聞特任解説委員 鈴木 崇弘(城西国際大学大学院教授・日本政策学校代表)

いま教育関係者をはじめとする多くの人々の注目を集め、さまざまなメディアでも取り上げられ、ベストセラーになっている本がある。『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社刊、新井紀子著)だ。 新井氏は数学者であり、2011年より人工知能プロジェクト「ロボットは東大に入れるか」プロジェクトディレクターを務める。同プロジェクトは、「東ロボくん」と名付けた人工知能(AI、正確にはAI技術)を育て、東大合格を目指そうというものである。 また同氏は、その「東ロボくん」のプロジェクトと並行して、日本の中・高校生の読解力に関する大がかりな調査・分析も実施した。……

社説 OPINION

中教審の教育課程部会は9月6日、今後の教育政策の方向性をまとめた報告書「Society 5.0に向けた人材育成~社会が変わる、学びが変わる~」について意見を交わした。各委員は報告書が示す内容の推進に賛同する一方、さまざまな課題を指摘した。 「Society 5.0」は、「IoT、ロボット、人工知能、ビッグデータ等の先進技術を活用することで、新たな価値を創出し、地域、年齢、性別、言語等による格差なく、多様なニーズ、潜在的なニーズにきめ細かに対応したモノやサービスを提供することのできる新たな時代」と定義されている。狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く新たな社会である。報告書ではこの新社会に対応しうる人材育成に向けて▽「公正に個別最適化された学び」を実現する多様な学習の機会と場の提供▽基礎的読解力、数学的思考力などの基盤的な学力や情報活用能力を全ての児童生徒が習得▽文理分断からの脱却――の三つの方向性を示した。 この方向性に沿った施策を進めていくには当然財源が必要となる。……

厚生労働省が先日公表した2017年度の中高生の飲酒・喫煙実態調査の結果によると、酒を飲んだ経験のある中学生は16.2%(男子17.1%、女子15.3%)、高校生は29.4%(男子30.3%、女子28.5%)いることが判明した。また、紙巻きたばこを吸った経験のある中学生は2.6%(男子3.1%、女子2.1%)で、高校生は5.1%(男子6.9%、女子3.3%)であった。 8年前の12年度調査では飲酒経験が中学生36.3%、高校生53.9%、喫煙経験は中学生8.7%、高校生16.0%であったので、大幅に減少している。行政指導による自動販売機の規制や店頭販売での年齢確認、販売に関わる従業員研修の徹底に加え、マスコミの注意喚起、医療機関や保健所など関係機関による指導と、社会を挙げての取り組みが功を奏したといえよう。何より、学校における指導が最も効果的だったのではないか。 飲酒・喫煙が未成年者に与える影響は計り知れない。……

8月末から9月初めにかけて、マスコミが子供たちの自死や不登校の対策、取り組みに関する報道を続けていた。自死も不登校も、この時期に最も多く発生しているからである。 当然、学校や教育委員会も手をこまねいているわけではなく、保護者と協力してさまざまな取り組みを進めている。だが、忘れてはならないのは、「魅力ある学校づくり」が基本・基盤にあるということだ。 「学校が大好きです。明日も行きたい。休みの日も行きたい」という小学校2年生の作文を目にしたことがある。……

学校経営 MANAGEMENT

eye-catch_1024-768_takashina-school教育創造研究センター所長 髙階玲治

OECDのシュライヒャー教育・スキル局長が7月に来日し、日本の教育への提言を行った。その提言を要約すると、次のようである。 (1)学習指導要領の改訂実施を優先する(2)学校と地域社会との連携・協働関係を強化することで、包括的・全人的な教育制度を維持する(3)生涯学習を強化し、義務教育以外の教育へアクセスする経済的手段を拡大し、平等を促す。……

文科省の遠隔合同授業の委託事業で、熊本県高森町と鹿児島県徳之島町は、小規模の学校や離島・山間地の教育課題の解決を目指し、3年間の継続的な取り組みを進めた。実践では、試行錯誤しながらも確実に児童生徒の学力向上が実現した。これらの実証地域にアドバイザーとして関わり、共通に見えてきた成果と学習活動のポイントとして、次の三つを挙げる。 ①多様な考えで学び合う学習活動 小規模校では、児童生徒の価値観や人間関係が固定化されがちで、多様な考え方やものの見方を学ぶ機会が少なくなる。……

東京都立光明学園統括校長 田村 康二朗

東京都では1969年、横浜市と時を同じくして障害で通学が困難な児童生徒への訪問教育を開始した。都は74年から、養護学校への希望者全員入学も開始している。 重度の障害がある児童生徒の在籍者が増える中、各養護学校にはたんの吸引器が備えられるようになった。そうした医療的ケアが必要な児童生徒の対応は、原則として保護者が当たることになっていた。 大阪府は、平成(1989年)に入って医療が必要な児童生徒の増加に伴い、「医療との連携のあり方に関する検討委員会」を設置。……

教育実践 PRACTICE

筑波大学附属小学校教諭 青木 伸生

説明文を捉える~低学年編1

◆フレームリーディングの授業
文章全体を丸ごと読む手法がフレームリーディングです。この読み方の対極にある授業イメージは、物語や説明文を場面や段落ごとに区切って詳細に読解するものです。 私は、文章全体を俯瞰(ふかん)する力と言葉にこだわり詳しく内容をつかむ、両方の読みの力が必要だと考えています。大切なのはそのバランスなのです。フレームリーディングの授業の基本形は「数える」と「選ぶ」ことです。今回は、小学校1年生の説明文を例に授業を説明します。
◆教科書本文の打ち直し
1年生にフレームリーディングは無理ではと感じる人がいるかもしれませんが、それは違います。……

スウェーデンでは幼稚園から成人教育に至るまで、公教育が無料である。成人教育では、さまざまな職業教育や趣味・文化の学習のほか、小・中・高校で提供されている科目が成人向けに提供されており、20歳以上のスウェーデン住民は誰でも履修できる。そこで筆者もスウェーデン語講座を受講し始めた。今回は、その履修説明会で驚いた「評価」について書いてみたい。
■全国共通の評価基準
講座では、修了時にAからFまでの成績がつけられる。Aが最も良くてEまでが合格、Fは不合格である。A、C、Eを取るための評価基準は、数個の観点について、全国共通の規定として教科・科目ごとに文章で定められていて、到達度がAとCの中間あたりだとBになる。この絶対評価による成績の付け方は、成績をもらい始める小学校6年生から成人教育に至るまで、すべての教科で共通である。 かつては正規分布に基づく相対評価で成績がつけられていたが、1990年代以降、学習指導要領、ナショナル・テスト、全国共通の評価基準と連動して評価方法の改革が行われ、現在では絶対評価による成績付けが定着している。 筆者はこうした一般的なシステムは理解していたが、履修説明会ではこれに加えて、AからEの内で「自分の目標」を設定するように言われた。……

雨晴クリニック副医院長 睡眠専門医 坪田 聡

睡眠と覚醒のリズムは、「体内時計」と「睡眠物質」の二つでコントロールされている。体内時計は、夜になったら眠くなり、朝になったら目が覚める、というのが働きだ。一方、睡眠物質は、長い時間起きていると睡眠物質が脳にたくさんたまって眠くなり、眠っている間に睡眠物質が分解され、量が減ると目が覚めるという仕組みになる。 この睡眠と覚醒のメカニズムから考えると、たくさん眠っても「寝だめ」はできない。私たちは、起きている間にたまった睡眠不足を眠ることで返しているだけなのである。 睡眠不足は「睡眠の借金」とも言えるが、脳内にたまった睡眠物質が分解されて借金がゼロになったら終わり。……

企画特集 SPONSORED

小学生が、各国出身のキャンプリーダーたちと英語でのコミュニケーションに挑戦しながら、生活を共にし、国際理解を深める「イングリッシュ・イマージョン・キャンプ(EIC)2018」(公文教育研究会主催)が、滋賀県守山市と静岡県賀茂郡河津町で開催された。7月30日から8月25日までの期間中、四つのキャンプに、英語を意欲的に学習する小学校3年生から6年生まで計224人が日本全国から参加した。 児童らは英語でキャンプリーダーと対話し、英語環境に“どっぷり浸る(immersion)”経験を積んだ。初日には緊張した面持ちで参加していたが、数日間のキャンプを経て大きく成長を遂げ、最終日の卒業式では一人一人が参加者全員の前で、自身の夢や目標を英語で堂々と発表した。 キャンプ中、子供たちの活動をサポートしたのはラオス、インドネシア、チリなど、さまざまな国・地域出身のキャンプリーダーたち。……

■大掛かりな設備は不要
「テレビのリモコンを使うのと同じ感覚で、誰でも簡単に操作できる」――。そう話すのは大阪信愛学院小学校(岩熊美奈子校長、児童212人)で情報を担当する高橋脩教諭。2017年度に同校へ赴任し、プログラミング教育の指導や、校内の情報システム整備を担当している。 かつて同校では、教室でスライドなどを見せようと思ったら、教員が各自のPCからUSBなどを使って持ち運び用のPCにデータを移し、教室のモニターとつないで動作確認をし不具合などがあれば調整しなければならなかったため、休み時間を全て費やすこともまれではなかった。それが、ある設備を導入してからは「リモコン一つ持って行って電源を押せば、校内サーバから必要なデータを選んで瞬時に写すことができる」ようになった。 ある設備とは「みらいスクールステーション(みらスク)」。……

(一社)日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)海外調査部会が6月2日から9日にかけ、オーストラリアのクイーンズランドに赴き、ICT活用を中心に、州の教育省、公立小学校、高校を視察した。このほど開かれた報告会では、オーストラリアの教育制度、クイーンズランド州の取り組み、授業実践などが報告され、日本と比較しながら、良い点や課題などが指摘された。
■オーストラリアの教育制度
初等中等教育においては、年齢と学年は日本とほぼ同じだが、Prepという小学校入学前の準備学級が1年間ある。義務ではないが、ほとんどの子供が通う。州によって学年の区切りが異なる。 カリキュラムはこれまでは州ごとに決めていたが、コンピテンシーの育成や、21世紀型スキルが世界的な潮流になっていったことを背景に、2008年の「メルボルン宣言」において、ナショナル・カリキュラムが開発されるようになった。 翌09年には、国でカリキュラムを決めるための、オーストラリアン・カリキュラム評価報告機構(ACARA)が発足。……

教員採用試験  EXAMS

月刊『教員養成セミナー』前編集長 教育ジャーナリスト 佐藤 明彦

「一般選考」で受験する場合、避けて通れないのが筆記試験です。論作文や模擬授業は、自治体によってあったりなかったりしますが、筆記試験は全自治体の1次選考で課されています。一般選考で受験する人は、試験対策の7割くらいを筆記試験対策に費やすものだと考えた方がよいでしょう。 筆記試験対策は、問題集と参考書をベースに進めていくことになりますが、その前に必ずやってほしいのが過去問分析です。これをやらないまま、問題集や参考書に着手すると、多大なロスが生じることになります。 筆記試験は、大きく「一般教養」「教職教養」「専門教養」の3分野に分かれ、いずれも自治体によって出題傾向が異なります。……

受験者が1万人以上減少

今夏に実施された平成31年度公立学校教員採用試験の1次選考実施状況を本紙調べで集計した。 全国69県市のうち、約7割以上の県市で1次選考合格倍率(総受験者数÷総合格者数)が下がった。前年より大幅に低下したのは山形県(今夏2.1倍、△0.6ポイント)、福島県(3.3倍、△0.8ポイント)、東京都(1.6倍、△0.6ポイント)、佐賀県(2.0倍、△0.6ポイント)、熊本市(1.9倍、△1.0ポイント)、鹿児島県(3.0倍、△0.7ポイント)など。 1次受験者は14万2221人で前年より1万1863人減少(鳥取県は西日本豪雨による日程変更のため除外。福岡市は昨年度受験者数非公表のため志願者数で計算)。……

8月、文科省から2018年度の「学校基本調査(速報値)」が公表された。学校教育の全体像を統計の面から捉えることは教採対策においても重要である。 文科省では、学校教育行政に必要な学校に関する基本的事項を明らかにすることを目的として、主に幼稚園、小学校、中学校、高校、特別支援学校などを対象に毎年、学校数、在学者数、教員数、卒業者数、進学者数、就職者数などを調査している。 少子化が急速に進んでいるのは周知の事実であり、学校教育のあらゆる面にも影響を及ぼしている。……

未来の先生展2018

オランダで広まり、日本でも注目を集めているイエナプラン教育は、一人一人を尊重しながら自律と共生を学ぶオープンモデルの教育。東京都大島町立つつじ小学校では、校内研究としてイエナプラン教育に2年間取り組んだ。その報告を「未来の先生展2018」で行う同校の細貝駿教諭に、発表内容やメッセージを聞いた。
――発表内容は。
日本で初めての事例となる「公立小学校へのイエナプランのワールドオリエンテーション導入」という、われわれが2016、17年度の2年間を通じて行ってきた、校内研究の内容と成果を発表する。 ワールドオリエンテーションとは、イエナプランの特徴的な手法の一つで、1~3年生を下学年、4~6年生を上学年という二つのグループに分けて、異学年のメンバーで進める対話中心の授業。校内研究テーマとしてワールドオリエンテーションに取り組んだ2年間は、週に一度、火曜日の5・6限目を使って、ワールドオリエンテーションの手法を用いた授業を行った。 異年齢のグループで行う対話は、通常の学級とは違った児童の自主性を引き出せる。……

先進国において「自尊感情教育」や「社会的・感情的学習(SEL)」の次の教育メソッドとして注目され、学校教育や子育てに生かされている「ポジティブ教育」。その中でも「強み」と「やる気」にフォーカスした「ポジティブ教育」の講座を、昭和女子大学総合教育センター専任講師の緩利誠氏が「未来の先生展2018」で行う。発表内容やメッセージを聞いた。
――ポジティブ教育とは。
心理学の新しい潮流として知られる「ポジティブ心理学」において実証されてきた知見を、教育分野に応用しようというのが「ポジティブ教育」だ。 学習のやる気や意義を高める「ウェルビーイング」、テストやスポーツで困難、失敗に直面してもあきらめずに立ち直る「レジリエンス」といった、心理的特性や能力を伸ばすことを中心としている。このウェルビーイングとレジリエンスの両方を育てていくことで、子供たちが幸せな人生を歩めるようにサポートしていく。 学校現場は、青少年の抑うつ、いじめ、学習意欲の低下など、多くの難しい問題に直面している。……

松田孝 東京都小金井市立前原小学校長
「ICTやプログラミングは児童が自分を表現するためのもの。ダイナミックに自由に、とにかく楽しめればいい」――。東京都小金井市立前原小学校の松田孝校長は、そう話す。前原小といえば、公立ながらICTやプログラミングについて挑戦的な取り組みを続ける学校として名高い。例えば児童539人全員にPCを支給し、日々の授業や朝礼、家庭学習でも活用している。そんな先進的な活動の指揮を執るのが、松田校長だ。設備がままならない、プログラミングも未経験、手探りの状態から、児童たちの学びを180度変えた。松田校長に「未来の先生展2018」での発表内容などを聞いた。
――前原小の授業では、具体的にどのような授業をしているのか。
一言で言えば「ICTをど真ん中においた授業」。 例えば社会科では「グーグルアース」使って授業している。国土を学ぶとき地図帳や教科書の細かい文字を追うだけでは、リアリティーがない。そこで「グーグルアース」でその地域を表示しモニターに映して、児童に見せている。周辺の様子やいろんな角度から立体的に見えるので、児童たちはとても盛り上がる。 5年生で学ぶ「日本の国土」では、最北・最東・最西・最南位置を「グーグルアース」のフォルダツアー機能を使って紹介する。……

総合 GENERAL

エネルギー、平和に取り組む

(公財)ユネスコ・アジア文化センター(ACCU)はこのほど、「2017年度ユネスコスクール年次活動調査」の結果を公表した。SDGs(持続可能な開発目標)の認知度が6割を超えていることなどが明らかにされた。

 同調査は、文科省の委託事業。昨年12月から今年1月にかけ、全ユネスコスクール加盟校1034校を対象にウェブ調査を実施され、765校(回答率約74%)から回答を得た。  校種別に回答校の割合を見ると、「小学校」49%、「中学校」22%、「高等学校」16%、「中高一貫校」7%、「保育園・幼稚園」3%、「小中一貫校」2%などとなっている。  国内および国際的枠組みについて、「知っている」と回答した割合は、「グローバル・アクション・プログラム(GAP)」56%、「(GAPと別に)国内実施計画」37%、「SDGs」63%となっており、SDGsに対する認知度が高いことが分かった。……

第8回ESD大賞の実践紹介 ネスレ日本ヘルシーキッズ賞・東京都目黒区立田道小学校

環境教育と国際理解教育を
この賞は、「食育や栄養教育と運動の実践を通じて持続可能な社会を担う子供たちの健康を育てる優れた実践研究」に贈られるもの。 [caption id="attachment_91211" align="alignright" width="300"] 運動会では全校で田道小体幹体操を行った[/caption]  東京都目黒区立田道小学校は、「食・栄養・健康」を核にした健康教育に全校挙げて組織的・計画的・継続的に取り組んでいる。自ら健康づくりに励む子の育成を目指す活動として、養護教諭と担任の連携による食の指導、ペースランニングや田道小体幹体操などによる健康づくり、パラリンピック出場選手との交流学習などを行っている。  同校の周囲は住宅街であるが、近くには都内有数の桜の名所である目黒川があり、地域の歴史や環境問題を考える題材にもなっている。……

第9回ESD大賞の実践紹介
小学校賞・東京都大田区立赤松小学校
東京都大田区立赤松小学校は新学習指導要領の理念に鑑み、ユネスコスクールの責務であるESDの充実に焦点を当て、研究主題を「心豊かで、主体的に活動する、国際社会の一員としての自覚をもった子供の育成」と掲げ、質の高い学びの創造を目指して取り組んでいる。 生涯を通じて行われるESDの基盤として、小学校教育では持続発展可能な社会を構成するための「価値観」と「体系的な思考力」の萌芽(ほうが)と伸長を促すことが重要であると捉えている。 そこで、まず教育活動全体を俯瞰(ふかん)し、育成してきた「生きる力」を「価値観」と「体系的な思考力」に視点を当てて整理した。()……

コラム COLUMN

「各地の学校で新学期が始まる中、文部科学省は子供たちのランドセルなどが重すぎるという意見を踏まえて、宿題で使わない教科書などは教室に置いて帰ることを認めるよう、全国の教育委員会に対して求める方針です」。いわゆる「置き勉」を認める措置を行政が指示したことを報じた(9月3日、NHK総合)ものだ。 「置き勉」とは、登下校時の荷物を軽くするために、児童・生徒が教科書などを教室に置いて帰ること。「置き勉強道具」の略(「知恵蔵mini」解説)である。「脱ゆとり教育」への転換を図った2011年度以降、小・中学校で教科書の大判化やページ数の増加が進んだ。…… 当然、子供たちが毎日持ち歩く荷物の重量も増える。……

宮城教育大学名誉教授 見上 一幸

南太平洋のキリバスに帰化した日本人の方から、地球温暖化に関わる現状を聞く機会があった。「先進国のつけを、温暖化の原因にあまり関わらないわれわれがなぜ払わされるのか。愛の反対とは憎しみではなく、無知と無関心であるから、関心を持ってほしい」という言葉が心に残った。その国の文化や生活体験を持つ人から直接聞く言葉は重い。 地球温暖化について新聞や文献などからの知識はあったが、その国に住む人から直接聞けたのは初めてでリアリティーがあった。日本も大地震や津波だけでなく、巨大台風、豪雨洪水、猛暑と、温暖化に関係のある災害も多く、ひとごととは思えなかった。 気候変動への取り組みは、2015年に国連で採択された持続可能な開発目標(SDGs)の17の目標の中の一つ。……

あるテレビ番組で、子供に代わって業者が宿題をする「宿題代行サービス」が取り上げられていた。恥ずかしながらこうしたサービスの事情に疎く、その盛況ぶりに大変驚いた。 サービスを利用したことがある保護者に多くみられるのは「塾や運動など、宿題よりも優先させたいことがある」「宿題を見てあげる時間が取れない」といった意見だ。反対意見で圧倒的に多いのは「自分でやらないなら宿題の意味がない」というもの。 ツイッター上でも賛否両論の声が飛び交っている。……

書評 BOOK REVIEW

 日々当たり前のように行っている読み書きは、そもそも何のために必要とされ、われわれにどのような影響を与えてきたのか。その歴史をたどり、意義を考える一冊。  現代の学校に相当する仕組みがなかった江戸時代にも、読み書きを学ぶ場として大坂の懐徳堂や適塾、長崎の鳴滝塾に代表される「私塾」があった。ここまでは多くの人が知るところだが、多くの農民、一般民衆もこの時代、すでに読み書きを習得していたのだという。本書では資料や文献をひもときながら、市井の人々が読み書きを学び、識字能力が普及していった様子を解説する。人々が生き抜いていく上で主義主張を伝えるすべが必要だった背景にも触れており、それぞれの時代の学習状況から新たな知見が得られる。  後半では読み書きの「権利」についても述べている。読み書きは人間の生存に不可欠な権利であるが、現代の日本でも何らかの事情で身に付けていない人が存在している。……

「特別の教科 道徳」のスタートに当たって本書が示すのは「考え、議論する道徳」「自己を見つめる」「道徳諸価値について理解する」など、新たに打ち出されたキーワードの詳しい解説。著者は公立小学校の元教員。長年にわたり道徳教育を研究し続け、積み上げた実践を一冊にまとめた。 学校現場で道徳教育の難しさに直面する教員や、授業を観察し指導・助言する立場にある指導主事が持つ悩みを解決するため、著者がこれまでに受けた質問を基に、Q&A形式で構成されている。質問は▽道徳科の目標▽学習指導の過程▽教材の分析と活用▽価値への方向付け▽板書の構成の仕方▽ねらいを明確にした「書く活動」――などに分類され、読者が抱えている困難に応じ、即座に具体的な方策が導き出せるよう工夫されている。 「小学校高学年の『正直・誠実』では、どのような発問構成にしたらよいか」という疑問に対しては、発達段階を踏まえた授業のねらいを明確にした上で、価値理解を深める補助発問を具体的に示し、どうしたら中心発問でねらいに迫れるかを明確に回答している。……

 「特別の教科 道徳」のスタートに当たって本書が示すのは「考え、議論する道徳」「自己を見つめる」「道徳諸価値について理解する」など、新たに打ち出されたキーワードの詳しい解説。著者は公立小学校の元教員。長年にわたり道徳教育を研究し続け、積み上げた実践を一冊にまとめた。  学校現場で道徳教育の難しさに直面する教員や、授業を観察し指導・助言する立場にある指導主事が持つ悩みを解決するため、著者がこれまでに受けた質問を基に、Q&A形式で構成されている。質問は▽道徳科の目標▽学習指導の過程▽教材の分析と活用▽価値への方向付け▽板書の構成の仕方▽ねらいを明確にした「書く活動」――などに分類され、読者が抱えている困難に応じ、即座に具体的な方策が導き出せるよう工夫されている。  「小学校高学年の『正直・誠実』では、どのような発問構成にしたらよいか」という疑問に対しては、発達段階を踏まえた授業のねらいを明確にした上で、価値理解を深める補助発問を具体的に示し、どうしたら中心発問でねらいに迫れるかを明確に回答している。……