「住みよい地球」全国小学生作文コンクール2023は、岩谷産業株式会社が主催し、今年度14回目の実施となった。同コンクールには文部科学省、環境省、全国連合小学校長会、全国市町村教育委員会連合会などが後援し、株式会社教育新聞社が協力したもの。日本国内だけでなく、イギリス、フランス、ドイツなど海外日本人学校を含む、625校の小学生から5384作品もの力作が寄せられた。
「ガス&エネルギー」を事業の中核として、環境と深い関わりを持つ岩谷産業が主催する同コンクールは、作文を通して、子どもたちに地球環境を考えてもらう契機とすることを目的としている。同社は「住みよい地球がイワタニの願いです」を企業スローガンに掲げており、作文のテーマもここから設定されている。入賞者にはそれぞれ表彰状や賞品が贈られた。
授与式は、2024年1月23日に主催者が同校を訪問し、全校児童を対象にした感謝祭の中で行われた。表彰状と記念盾、副賞の図書カード5万円を授与された安井さんは、「素晴らしい賞をありがとうございます。家庭菜園で自分で育てたやさいは、地球にやさしいだけでなく、びっくりするほど美味しいということを学べました。これからも地球のためにできることをたくさん探したいと思います」と話してくれた。
2023年12月22日に主催者が同校を訪問して行われた授与式では、全校児童を対象にした朝礼で賞状や賞品などを授与した。金光さんは、「この作文は、ヘルプマークやサポートマークの存在をもっとたくさんの人に知ってもらい、支え合うことの大切さを伝えたいと思い書きました。この賞を取ったことで、たくさんの人に知ってもらえたらうれしいです。最優秀賞というとても素晴らしい賞をくださり、ありがとうございます。これからも自分にできることを続け、ほかにもできることを探していきます」と話した。
<審査会での評価>
1年生から6年生まで、全学年の児童が取り組んでくれた。SDGsについて自分たちの身近な生活の中から体験し考えたことを書いている作品が多い。子どもたち一人一人がテーマをとらえ、自分の気持ちをしっかり表現している。
<指導者のコメント>
海と山に囲まれる本校では、学習の中でSDGsや環境に触れる機会が多くあり、「住みよい地球」というテーマに興味を持って取り組むことができました。日々の指導がこのように表彰されうれしく思います。
<審査会での評価>
2年生から6年生まで幅広い学年の児童が応募してくれた。「住みよい地球」について、思い思いのテーマで、調べたことを素直に書いている作品が多かった。作文を書かされているというより一人一人が意欲的に書いている姿勢に好感が持てる。
<指導者のコメント>
夏休みの課題として毎年応募している。数年前より応募者が増えてきている。その背景には、高学年中心に環境問題の学習を継続して取り組んできていることが挙げられる。作文を書くことで、環境に対する関心が高まったり、今一度自分の生活を振り返ったりして考えをまとめるよい機会となったようだ。
<審査会での評価>
1年生から6年生まで、全学年から優れた作品を多数応募しており、3人が入賞した。どの児童も体験をもとに、自分の意見を持って書いており、先生のしっかりした指導がうかがえる。
<指導者のコメント>
よりよい未来を自分事として考えることは、今を生きる子どもたちにとってとても大切なことです。本コンクールに取り組むことは、子どもたちが自分たちと地球について考え、よりよい生き方へのヒントや、今後取り組みたいことを見つける機会になると考えます。一人一人が地球と自分たちのよりよい未来へ向かってほしいと願います。
一次審査・二次審査を経てノミネートされた優秀作品から、最終的に各賞を決定する最終審査会は昨年11月14日、岩谷産業株式会社東京本社(東京都港区)で行われた。
審査委員長の松橋隆治東京大学教授は講評の中で「今年は、留学経験に基づく国際交流から戦争と平和の考察に発展した作品、自分で苦労したリサイクル活動から循環型社会の実現を考えた作品、ボランティア活動での高齢者支援を通じて社会福祉の問題を捉えた作品などがあり、いずれも実践的な活動を通じて大きな社会課題を考えた素晴らしい作品でした。また、ジェンダー問題を取り上げた作品が複数出てきたことも今年度の特徴といえます」と述べた。
【問い合わせ先】「住みよい地球」全国小学生作文コンクール事務局(プラスエム内)/TEL03(5541)7080 E―Mail(sakubun@plus-m.co.jp)