教育に“ひとこと”

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時事通信社
教育新聞ブランドスタジオ
新井郁男 著 1540円

 本書は、長年教育改革に携わってきた著者が、時事通信社発行の教育情報誌の連載コラム欄に書きためた教育に関する寸評、ひとことをまとめたもの。

 著者は、教育社会学を土台として、学会誌、著書、講演などで考察、提言などを行い、多くの学校の調査、視察を続けてきた高名な教育学者である。

 その著者は、1976年から2023年まで、およそ半世紀かけて全76編もの教育エッセーを記してきたのである。

 ICTの活用、個別最適化された学習、協働学習、探究学習、小学校における英語の教科学習など、学習指導要領などの改訂とともに、学校現場では常によりよい学びの在り方が模索されている。今現在も新しい取り組みが進められている一方で、およそ半世紀前から記された〝ひとこと〟を読むと、教育は過去から現在につながりを持っていることに気付かされると同時に、重要な本質部分はどこにあるのか、と改めて考えさせられる。

 教育への提言をまとめた書籍は数多く存在しているが、著者が47年にわたって見続けた教育の視点、教育への想い、願い、提言から学ぶことは多いはずだ。

 今教育に携わっている若い世代、さらにこれから教育に携わろうという学生にも本書を手に取ってもらい、本書を切り口にそれぞれの観点から教育を考え、また意見交換をするきっかけにしてもらえたらと思う。