授業における「指導と評価の一体化」というフレーズが言われるようになったが、実際にどのような授業を展開すればよいか、となると難しさを感じる教員も少なくないのではないだろうか。
「指導と評価の一体化」を実践するには、指導しながら子どもたちを観察して学習状況を把握し、目標に照らして判断・評価して課題や成果を見いだし、さらに評価した結果をもとに瞬時に次の手だてを考え、指導しなくてはならない。実際にこのような授業づくりを実践するには、相当の指導力が求められることとなる。
ポイントとなるのは、授業の場で子どもの発言や活動などの反応をいかに観察し、いかに受け止めるかだ。授業中、教師側は発問や指示などによって子どもたちに積極的な発言を促してはいるものの、言わせっぱなしや聞きっぱなしという授業も少なくない。それだけでは評価したことにはならず、評価の結果を生かした授業につなげることもできない。
本書は、「指導と評価の一体化」とは、子どもたちの反応に対して教師が適切にリアクションすることであると捉え、具体的にどのようにリアクションをしてどんな言葉で切り返したらよいのか、14の演習題を通して丁寧に解説する。
さらに、これまで評価手段として伝統的に使用されてきたペーパーテストにも注目し、よりよい問題作成の在り方について8つのポイントを提案し、社会科を例に問題例を紹介する。