江戸を照らせ 蔦屋重三郎の挑戦

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小峰書店
教育新聞ブランドスタジオ
小前亮 作 1870円

 今年度のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』の主人公、蔦屋重三郎の物語である。重三郎は江戸時代、今でいう「編集者」として大きな功績を残したが、大河ドラマの題材となるまでその名を聞いたことがなかったという人も多いのではないだろうか。

 ビジネスの才覚に恵まれた重三郎は、作家や絵師と交渉して本の企画・制作・出版を行うだけでなく、自ら版元を立ち上げ、巧みな広報戦術を駆使して販売までこなし、出版に関わるプロデューサーとして活躍し江戸の人々を楽しませた。

 一方で、重三郎は政治方針の変化がビジネスや生活に大きく影響を与える時代に生きた。その動きに翻弄されながらも、お上には負けまいとプライドを持って商売に徹した重三郎の生きざまに勇気をもらえる。多くの子どもたちに読んでほしい。