作者のイーサン・ロング氏の体験をベースに描かれた自伝的物語。主人公の10歳児・ベニーは幸せな毎日を送っていたが、両親の離婚で母親が家を出ていったことを皮切りに、人生が大きく揺れ動く。愛煙家の父のがんが見つかり、家庭内の空気はどんどん悪くなる。また、アンガーマネジメントを習得するために嫌々カウンセリングを受診するなど、穏やかではない日々が続く。
そんな中、父の容体が悪化していることを聞かされ、ますます心の余裕が失われてしまう。
重々しいストーリーが展開されるが、ほぼ全てのページにユニークなイラストが挿入されている。そのおかげでシリアスなストーリー内容が緩和され、ベニーが置かれている状況にしっかり目を向けることが可能。他者への共感力や想像力を育ませてくれるだろう。