母親や周囲から「かわいい」「女の子らしい」を強要され、鉄道好きであることを隠し続けている中学生の菜摘。
ある日、スマホの操作を誤ったことにより、同じ新聞委員会に属している地味目の男子生徒・羽ヶ崎に、自身が撮った大量の鉄道の写真を見られてしまう。ひた隠しにしていた秘密がばれて意気消沈するが、羽ヶ崎も「撮り鉄」だったことが発覚。
2人で鉄道を撮りに行くなど鉄道を通じて仲を深めるが、羽ヶ崎と一緒にいるところをクラスの人気者・大宮に見つかり、菜摘の学校生活に暗雲が立ち込める。
羽ヶ崎と電車について語っている時の描写からは、生き生きとした菜摘の様子が目に浮かび、自然と頬が緩む。自分の好きを大切にすることの尊さ、同時にその人の好きを否定することの残酷さに気付かせてくれる。