探究のコンパス 学びのデザインを変える15のヒント

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明治図書出版
教育新聞ブランドスタジオ
学校法人新渡戸文化学園 編著 2530円

 教師が知識を一方的に教える教育から子どもが主体的に学びを深める学習へと転換を図ろうと、各学校でさまざまな取り組みが行われている中、小中高校において活発に進められている探究学習。新たな学びのスタイルであるが故に、教師はどのようにサポートすればよいのか悩ましい、という声も少なくない。

 東京都中野区の私立学校、新渡戸文化学園は、「未来の学校をこの世に描き出す」という目標のもと、2019年から探究学習を軸とした学びへの進化に取り組んできた学校だ。全ての教育活動を「子どもが主語」にするために抜本的な見直しを行い、カリキュラムの再設計を行ってきた。本書は、その同学園の小中学校が実践する探究中心の学びのリアルを伝え、何が核となって「学びが変わる」のか、そのヒントとノウハウを惜しみなく伝授する1冊である。

 序章『「探究」で変わる子どもたち』で登場する児童生徒は、決して順風満帆に学校生活を過ごしてきたわけではないが、「好きなもの」を軸に探究学習を始め、教師の適切なサポートのもと成長していく姿が描かれる。教師が子どもに「学ばせる」従来型の学習から脱却するには、「子どもが学びのかじを取る」ことが重要である。子ども自身が自分の学びを選び、つかみ取ってよいのだと理解できる。

 探究学習に悩む教師はもちろん、多くの教育関係者に一読してもらいたい。