校庭の雑草で探究学習や自由研究ができる本

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東京書籍
教育新聞ブランドスタジオ
稲垣真衣 監修 稲垣栄洋・藤本勇二・中西徳久 著 2200円

 興味深いタイトルに目が留まる人も多いのではないだろうか。植物に詳しくなるための本というわけではなく、「校庭で子どもたちとわくわくしてみたい」と願う教員に向けた本である。

 本書によると、校庭の雑草は「身近にある」「抜いても怒られない」「観察するために育てなくてもいい」「探究学習に適している」という理由から、教材として優れているのだという。校庭でよく見られる雑草についてはまだ分かっていないことが多く、図鑑を調べてもそこに書いてある通りではないこともたくさんある。図鑑が正解でないとなると、「自分の目」で観察して「自分の頭」で考えるしかない。雑草が「探究学習に適している」最大の理由である。

 本書では、雑草で観察力や表現力、思考力や理科力、想像力などを鍛える29のプログラムを紹介する。授業や自由研究でのプログラムの進め方とともに、「子どもたちの活動と指導・評価の留意点」も示してある。対象となる学年も明示されているので、まずは担当する学年のページから読んでみるのがお勧めだ。

 また、校庭に生えている雑草の種類は季節ごとに限られ、校庭と花壇で見られる春から夏の雑草に限定すると、その数はわずか10種程度に絞られるという。後半では、その10種類の雑草を紹介する。事前にインプットしておくことで、学習の展開をより具体的にイメージできる。