都会の小学校に転校してきた小学4年生・大樹の心の葛藤と成長を描いた物語。
クラスメートの早川たちから“なまり”を馬鹿にされたことをきっかけに、転校先での居場所を見いだせず、孤独な日々を送っていた大樹。ある雨の日、竹やぶの中にたたずむ不思議な建物「や・い・ろ・の」を見付け、クラスの人気者・優菜と一緒に中に入る。そこには陰陽師と名乗る謎の老人・安倍河持の姿が。安倍は誰かを呪う能力があり、「早川をのろいたいのか?」と持ち掛けると、大樹は了承。やがて早川に呪いがかかり、その影響によって大樹自身にも変化が生じ、これまでの学校生活は変わり始める――。
言葉の多様性や他者を思いやる心の重要性が描かれており、小学校中学年が対象ではあるが、大人にも深い気付きを与えてくれる物語だ。