現在も世界のさまざまな国、地域で紛争や武力衝突が続いている。日本人の誰もが戦争のない世界を願う一方、先の大戦では日本も多くの国々を攻撃し、多くの日本人の命が失われた。
本書は、沖縄北部、名護の県立第三中学校の生徒たちが、ある日突然学校から戦場へと引き出され、満足な訓練も受けないまま強大な米軍との戦闘の前面に立たされた様子を克明に描く。
沖縄戦では兵力不足のため、14歳以上の男子生徒が兵士として動員された。援軍が来ると信じて精いっぱい任務を務め、瀕死の重傷を負いながらも懸命に生き延びようとする少年たちの姿に言葉を失う。
これは80年前に本当にあった物語である。戦後80年となる今年、一人でも多くの子どもたちに手に取ってもらいたい。そして、悲しくても最後まで読み進めてほしい。