教育新聞の教員採用試験ガイドです。
残念ながら教員採用試験に合格できなかった場合は、すぐに来年度の試験に向けて準備をすることが大切です。ここでは、具体的にどのようなスケジュールで準備をすればよいかについて解説していきます。
臨時的任用教職員など常勤として任用されれば、正規教員とほぼ同量の仕事を任せられます。そのため、4月1日から嵐のような毎日が続き、1次試験までほとんど対策の時間は取れません。加えて2024年度に実施される試験からは、1次試験を5~6月に前倒しする自治体も数多くあります。そのため、着任前の3月末までに可能な限り試験対策を積み重ねておくことが大切です。
教職教養や専門教養などの筆記試験については、もう一度内容を復習し、3月末までに完成させておくことが大事です。4月以降は休日などを利用して復習し、1次試験にピークを合わせるようにしましょう。なお、自治体によっては講師として働くと、筆記試験の一部が免除されることもあるので、事前に調べておく必要があります。
論文・面接対策は、「大学生の時に対策したから」との理由で何の準備もせずに臨むと、痛い目にあいます。1年のブランクはそれだけ大きいものがあります。
論文対策は4月以降の土日などを活用し、試験前の1~2カ月は週1本ペースで書くなどして対策しておくことが大切です。また、面接対策は試験の1カ月くらい前から、職場の管理職や先輩教員に手伝ってもらうなどして、練習しておくことをお勧めします。
講師として現場で働けば、論文や面接にその経験を生かすことができます。そのため、日々の教育活動の中で「これは試験に生かせそう」と思ったことがあれば、メモをするなどしておくとよいでしょう。
講師として受験する場合、大学生と同じ目線では見てもらえません。面接試験ではより深く、レベルの高い回答が求められます。論文試験の論述内容についても、現場を経験した者ならではの説得力が求められます。「ワンランク上」の回答ができるようにするためにも、試験直前期の対策が大切です。
臨時的任用教職員とは異なり、非常勤講師(会計年度任用職員)であれば、比較的時間に余裕があります。そのため、教員採用試験に再チャレンジするならば、非常勤講師の方が有利と考える人もいます。しかし、非常勤講師は担任として子どもたちと関わることができないため、面接・論文試験においてその経験を生かすことができません。どちらが良いとは一概には言えませんが、1次試験・2次試験の内容や必要な対策なども分析しながら、自分なりの道を選んでください。