【農業】「動物コース」で専門的に学ぶ 三重県の農業高校における畜産への取り組み 三重県立久居農林高等学校

第34回全国産業教育フェア栃木大会【協賛企画】
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三重県家畜審査競技会乳用牛審査/同校画像提供

 本校では、昨年度農業クラブ全校大会(熊本大会)の家畜審査競技会において全国最優秀賞(農林水産大臣賞)に入賞を果たした。そこで今回は本校における動物コースの取り組み、特に畜産に対する取り組みについて紹介する。

 三重県における酪農、肉牛については、両方とも飼養頭数は全国で中位程度であるが、一戸当たり頭数は全国でトップ3に入る飼育数を誇っている(2023年)。肉牛においては松阪牛、伊賀牛などの全国に知られたブランド牛の産地でもある。三重の牛乳としては、大内山牛乳、四酪牛乳などが地域の牛乳として出荷されている。

 三重県の農業高校では毎年、夏休みにFFJ技術検定(畜産の部)の取り組みを行っている。しかし、牛を飼育している学校は少なく、乳牛においては私立学校1校のみで飼育されている。そんな状況でも畜産に取り組む生徒の火を絶やさないよう、また少しでも優秀な生徒を全国大会へ送るため、三重県畜産研究所の協力を仰ぎながら家畜審査競技会とFFJ技術検定について長年取り組んでいる。

 各校には供試牛の準備もできない学校も多いことから、参加生徒には事前に勉強会を設け技術向上に向けて取り組み、競技会のレベルを上げられるよう努めている。本校は動物コースという県内でも数少ない動物を専門に学べるコースを持つことから、この取り組みについて畜産研究所と連携し運営の中心を担っている。参加希望の生徒も多く全国大会への出場、入賞者も輩出している。

 本コースからは、進学し専門分野で活躍している卒業生たちがいる。熊本大会で全国制覇を果たした背景には、本校で畜産を学び進学し、さまざまな経緯を経て畜産研究所に赴任した直接の先輩との出会い、そして指導が実を結んだのではないかともいえる。これからもこの取り組みを続けることで、さらなるつながりを築き三重の畜産の火を後輩たちが受け継いでいけるよう望んでいる。