本校は岩手県盛岡市にある。創立は1921(大正10)年である。2021年に100周年を迎えた。1965年に衛生看護科が設立され、1984年に衛生看護専攻科を設置した。2002年に5年一貫教育となり、現在に至っている。校訓である「気高く・優しく・凜々しく」の頭文字を取り「けやりの精神」を掲げている。多くの卒業生は県内外問わず、臨床で活躍をしている。生徒たちは中学卒業時から看護を志し、5年間の課程において絆を深めつつ、命に関わる現場での活躍を夢に見て学業に励んでいる。
今回の展示では、学校の紹介とともに、臨床における「患者の個別性」を踏まえた看護についての学習を深めることを目的とし、特に「口腔ケア特別講習」と「認知症サポーター養成講座」に注力し紹介をした。
「口腔ケア特別講習」は岩手県歯科衛生士会と連携し、「口腔ケア」について年2回、歯科衛生士4人を講師に招き「自分の口腔を知る」「口腔ケアとは」について学んでいる。「認知症サポーター養成講座」では、講義を受け、グループワークや発表を行いながら、高齢化社会における自分たちの役割について学んでいる。
いずれの学習も全て「患者にとって何が必要なのか」について考え続けることを大きな目標としている。生徒たちはグループワークのなかで積極的にディスカッションを重ね、自分の思いと他者の思いの相違に気付き、より良い看護について考えようとする姿が見られる。看護とは対象があって成り立つものである。対象とはすなわち「生命」であるということに気付くことができたときに初めて「看護」とは何かについての問いかけが生まれてくる場面もあった。
校内での学習、臨地での学びに加えて、「特別講習」を行うことで多職種との連携や高齢化社会における看護の役割を知る機会となっており、今後も続けていきたいと考えている。