【情報】県下随一のICT環境下での人材育成 「バーチャルマウス エアリアル」の開発 茨城県立IT未来高等学校

第34回全国産業教育フェア栃木大会【協賛企画】
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アプリを起動し、指の動きのみでPCのマウスカーソルを操作/同校画像提供

 本校は、2023年4月に開校した昼間2部制定時制単位制の情報科の単科高校。入学後に選択する情報システム・情報デザインの2コース制で、eスポーツ部などの情報に特化した部活動にも力を入れている。教育目標は「豊かな人間性と起業家精神を兼ね備えた、次世代を担うIT人財の育成」としている。iMacなどハイスペックな端末を備えたコンピュータ室6室、探究活動を行うために設計されたプロジェクト学習室4室が整備され、そのICT環境は県内でも群を抜いている。探究的プロジェクト学習を重視しており、1年次には自動灌水(かんすい)装置を開発するなど、質の高い探究が行えるように探究力を鍛えている。

 今回の展示は、第3回Joyo High schoolテックコンテストで優秀賞を受賞した「バーチャルマウス エアリアル」について紹介する。開発した生徒は、情報システム部に所属し、1期生として昨年4月から本格的にプログラミングを学び始めたにも関わらず、インターネットをフルに活用しながらスキルを高め、審査員の方々も驚くような完成度の高いシステムを構築した。本システムは、コンピュータのマウスに触れることなく、Webカメラを使用して手の指の動きのみでマウスカーソルの操作を可能とした。指の動きや相対的な移動量などをWebカメラで認識し、MediaPipeやOpenCVなどを用いてデータを分析することで、クリックやダブルクリック、マウスカーソルの移動などを判別する。

 コロナ禍において、学校や医療の現場で消毒作業に追われる人たちの姿を見て、非接触型のマウスアプリを構想した。多くの現場で活用されるように、安価で、気軽に利用できるアプリを目指したが、最初は、カメラの画像から手を認識するだけでも膨大な量の計算が必要になることから、アプリの最適化に苦労したとのこと。

 今後も本校では、多くの生徒がデジタル関連の研究発表会やコンテストに取り組めるように、デジタル社会を支えるIT人材の育成に取り組んでいきたい。