全国味噌工業協同組合連合会が組織する、みそ健康づくり委員会が刊行する小学校家庭科副読本「食べてみよう!調べてみよう!おみそ」の第32回作文・新聞コンクールの入選作品を決める審査会が、昨年12月18日、東京・千代田区のアルカディア市ヶ谷で開かれた。
作文部門の応募作品は約2400点。審査の結果、文部科学大臣賞は埼玉県川口市立青木北小学校の帖佐優さん(6年)に贈られることになった。このほか、最優秀賞は、横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校の池田将悠さん(5年)ら3人に、優秀賞は、千葉県袖ケ浦市立蔵波小学校の中島慶琥さん(5年)ら5人に、佳作は、大阪府高槻市立郡家小学校の林部陽莉さん(6年)ら8人に贈られた。
新聞部門の応募作品は約1200点。その中から、みそ健康づくり委員会委員長賞が千葉県四街道市立八木原小学校の白石陽望さん(6年)に、優秀賞が茨城県境町立猿島小学校の尾崎智優さん(6年)ら9人に贈られた。
学習指導要領に基づく小学校家庭科の調理実習では、みそ汁の調理が行われるが、「伝統食、優れた健康食としてのみそについて、より一層認識を深めてもらおう」と、みそ健康づくり委員会が副読本「食べてみよう!調べてみよう!おみそ」(監修・櫻井純子元文部省主任視学官)を過去32年にわたり刊行。2024年度は、全国の小学校を対象に約33万部を無料配布した。
今年の作品について審査委員長の田中孝一氏は、「みそは日本の伝統的な食品であり、全国の各地域では、特徴のあるさまざまなみそが作られている。祖母が作るみそ料理の良さに触れた作品など、地域や家族とのつながりを感じさせる作品が目立った」と述べている。
《文部科学大臣賞受賞作品》
みそは幸せの味
埼玉県川口市立青木北小学校 六年 帖佐 優
私は日本の食べ物が好きです。みそもその中の一つです。今回作文を書こうと思って副読本を読んだら色々と思い浮かびました。
まずは祖母のみそ料理です。
関西にいる祖母は、夏休みに遊びに行った時おみそ汁を作ってくれました。かつお節とこんぶで出汁を取り、具は豚バラ、ごぼう、豆ふ、人参、ねぎなど具だくさんでとてもおいしかったです。父は、「懐かしいなぁ。」と言いながら皆で「おいしいね。」と言って食べました。それからは母にリクエストをして我が家でも作ってもらっています。おいしいご飯に具だくさんのおみそ汁とぬか漬け。これがあれば最高のごはんです。
もう一人の東北出身の祖母のみそ料理はみそおにぎりです。おにぎりのまわりにみそがたっぷりぬってあるシンプルなおにぎりですが温かいほかほかごはんのおかげで、みそのいい香りが口と鼻いっぱいに広がります。中には私の好きな梅干しや鮭、かつお節などが入っていて何が出てくるか楽しみです。母も子どもの頃良く食べていたそうで、食べると元気が出るそうです。
また副読本のみその作り方を読んで、幼稚園の頃を思い出しました。私は、年中まで青森県に住んでいました。その園では、皆で野菜を育てたり、大豆を育てて収穫した大豆からみそ作りもしました。自分で作ったみそは自分の手のいい菌が入って自分の腸にいいんだよと教えてもらいました。幼稚園の給食は、そのみそで作ったみそ汁が出てきました。おいしくていつもおかわりしていたことを思い出しました。参観日には、みそ玉の作り方を教えてもらって父と母も「こんなに手軽にできるなんていいね。」と我が家では今も朝ご飯の時に、みそ玉で作ったみそ汁が登場します。
こう考えると、みそには、祖母、父、母そして私の思い出が詰まっています。みそは幸せの味です。