立命館守山中学校教諭
5年間勤めた麹町中学校を離れて、間もなく1年がたとうとしています 。離れたところから振り返ることで、よく見えてきたこともたくさんあります。
学校改革を現場で推し進めてきた麹町中には、いわゆる探究心が旺盛な教員が数多くいました。正確に言うと、元々そういうタイプだったというより、勤めているうちにそうなったという教員が多いように思います。私自身もその一人でした。
麹町中学校は、生徒と保護者と教員が、一緒に学校づくりを進めていこうとする学校でした。事例を一つご紹介します。生徒と保護者と一緒に新しい標準服をつくったのです(詳しい経緯もお伝えしたいところですが、紙幅の都合上割愛します)。
学校改革を進めていくには、保護者の協力が不可欠です。保護者の心を動かす教育ビジョンの伝え方は、工藤勇一前麹町中校長から学んだことの一つです。
「自律した子供を育てたい」という思いは、多くの学校、教員、保護者で一致していると思います。ただ、どうすれば子供の自律を育めるのか、どんな手段で子供の自律を育むのかが、悩みどころでもあると思います。そこで、麹町中での実践を中心に一つの方法を紹介したいと思います。
チーム担任制や定期テストの廃止といった麹町中学校でのさまざまな改革について、「どの程度の時間をかけて準備をし、どの程度の議論を重ねてスタートされたのですか?」とよく質問を受けます。
麹町中学校の職員室は、本当に賑やかでした。教員同士がいつも会話をしています。よく冗談を言って、場を和ませてくれる教員もいました。もちろん、そういう教員ばかりではありませんが、学校訪問にいらっしゃった方々からは、「なかなかこんな明るくパワーのある教員集団は見たことがない」と言っていただくことが多々ありました。
一つ、エピソードを紹介します。麹町中の文化祭「麹中祭」の最上位目標は、「観ている人全員が楽しめる麹中祭」です。 麹中祭は、生徒会行事に位置付けられており、生徒会役員が有志生徒等を募集し、麹中祭実行委員会をつくります。そして、半年以上の月日をかけて、その最上位目標の実現に向けて企画・運営を行います。
固定担任制の廃止、定期テストの廃止、宿題の廃止…。これ以外にも、麹町中学校ではこれまで学校の教育活動として当たり前のようにあったシステムを次々と廃止し、新しい実践を数多く実施してきました。
昨年3月まで5年間勤めた千代田区立麹町中学校。この間、6年前に着任した工藤勇一前校長(現横浜創英中学・高等学校校長)の下、さまざまな学校改革が行われ、次第に新聞やテレビなどメディアでも注目されるようになりました。中でも、チーム担任制の導入(固定担任制の廃止)、単元テストの導入(定期テストの廃止)、宿題の廃止などは、注目を集めた改革の代表だと思います。
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