生井 光治

第9回　最重要スキル「心理的事実と客観的事実を区別する」②

　前回、「心理的事実」と「客観的事実」を明確に区別した上で、「心理的事実」については積極的に謝罪し、「客観的事実」については慎重に扱うことの重要性を伝えた。今回はそのスキルを読者の皆さんに授けることを目指して、具体的な事例を挙げながら解説していく。

第8回 最重要スキル「心理的事実と客観的事実を区別する」①

　前回まで、保護者と「子育てのパートナーシップ」を強固にしていくための教師のマインドセットを4つ紹介した。いわゆる「保護者対応」と呼ばれるのは、何か起こってからの教師の立ち居振る舞いや話の進め方のハウツーに終始することが多いように思う。

第7回 信頼に変えるマインドセット⑤「ピンチはチャンス」

　前回、前々回と、「困った親ではなく、困っている親」というマインドセットを持つことの大切さについて述べた。とはいえ、保護者から怒りの感情をむき出しにされたり、攻撃的な言葉をぶつけられたりする場面は、やはり学校としては「ピンチ」の到来と身構えてしまうのもよく分かる。

第6回 信頼に変えるマインドセット④「困った親はいない」後編

　人は、外から見ると順風満帆に見えるものだ。しかし、決してそんなことはない。子育てには正解はない。今は情報が溢れているので、ネットで検索すればすぐに「反抗期の子どもとの接し方5選」など、知りたかった情報がヒットする。

第5回 信頼に変えるマインドセット③「困った親はいない」前編

　「困った親はいない」なんて言ってしまうと、「あなたはまだ、本当にとんでもない親と出会ったことがないのだ」と言われてしまいそうだ。しかし、公立小学校で20年も担任を続けてきて、そんなことがあるだろうか。

第4回 信頼に変えるマインドセット②「正義の反対は正義」

　前回、「不安を信頼に変える」マインドセットの第一に、保護者は「子育てのパートナー」であるということを述べた。考えてみれば至極当たり前のことである。しかし、なぜこのことを忘れがちなのだろうか。

第3回 信頼に変えるマインドセット①「子育てのパートナー」

　今回から5回にわたって、保護者との関わりの中で私が最も大切にしているマインドセットを4つに絞って紹介する。「保護者対応」に関わるさまざまなスキルを紹介している書籍や記事、教育委員会が作成したマニュアルなどは、世の中に数多く存在する。しかし、人間と人間である。

第2回 教師の働き方を左右する保護者との関係性②

　保護者対応の難易度は年々増している。その背景には、保護者との関係性の変化があるだろう。具体的に、どのように関係性が変化し、対応が難しくなったのだろうか。

第1回 教師の働き方を左右する保護者との関係性

　2025年5月8日、東京都立川市立の公立小学校において、児童の母親の知人2人が校内に侵入し、児童のいる教室で暴れ、教職員5人に暴行を加えて現行犯逮捕されるという痛ましいニュースが報道された。