公立小学校非常勤講師・プライドハウス東京レガシースタッフ
以前、ゲストティーチャーとして伺った学校で、LGBTQ+を入り口として平和について考える授業を行いました。私に関するクイズをしながらLGBTQ+に関する話をしたのですが、高学年の子どもたちのほとんどが「聞いたことがある・知っている」と答えてくれました。なぜ知っているのか尋ねると、「テレビやYouTubeで見た」「親と一緒に『ボヘミアン・ラプソディ』を見た」「親が会社でLGBTQ+に関する研修を受けてきて、その話を聞いた」などと答えてくれました。
教育現場でLGBTQ+の話題になると、とかく「LGBTQ+の子どもたちをどうするか」という話になりがちです。しかし、LGBTQ+であるのは子どもだけではありません。教職員の中にもいますし、フリースクールや子どもの居場所づくりのスタッフの中にもいます。同性カップルで子育てをしている方も、「既に」存在しています(当たり前ですが、そういった子どもや大人を探し当てる必要はありません)。
私のもとには、いろいろな学校や子どもに関わる現場から、「LGBTQ+や多様な性について、子どもに話してほしい」と依頼が来ます。教職員向けの研修会の依頼も数多く来ます。これまで知る機会がなかったからこそ、取り組みが進みつつあると感じています。
皆さんは制服に、どのような思い出があるでしょうか。私が中学生の時は詰襟の制服。首の周りのカラーが硬くて痛くて、苦手だった記憶があります。高校生の時は、黒のブレザーでした。羽織ったブレザーに格好よさを感じていましたが、ネクタイがワンタッチ式で残念だなと思っていました。
ゲイ当事者であり、さらには小学校の教員であるということで、私の元には時々ゲストティーチャーとして授業や講演会の依頼が入ることがあります。そんなときは、1単位時間でLGBTQ+の何をどう伝えようかと、悩むことがあります。
私は6年前まで、小学校の学級担任をしていました。その時はちょうど、5年生から持ち上がった6年生を担任していました。今振り返ると、クラスの子どもに関わることは「全て」「自分一人で」「やらなければならない」という気持ちが、少し強かったなと思います。
LGBTQ+はセクシュアルマイノリティー、性的少数者の総称です。Lはレズビアン、Gはゲイ、Bはバイセクシュアル、Tはトランスジェンダー、Qはクィア・クエスチョニング、+はそれ以外のさまざまな性の在り方です(※1)。
人口に占めるLGBTQ+の割合は、1.6%から8.9%とあるウェブサイトでは言われています(※1)。この数字を私たちのこれまでの人生と照らし合わせて考えれば、「友達や知り合いに当事者がいる」「職場の中にオープンにしている人がいる」となるはずですが、「見たことも出会ったこともない」という方がまだまだ多いと思います。
自分が同性に引かれるなと人生で初めて気付いたのは、小学校1年生のときでした。近所のお兄ちゃんたちに、憧れの気持ちを抱いていました。周りの友達は好きな女の子の話で盛り上がっているのに、男の子を好きになる自分は変だなと思っていました。と同時に「このことを話したら、絶対にいじめられる」と思っていたので、友達にも親にも先生にも言わないと決めていました。
初めまして。鈴木茂義と申します。東京と北海道で14年間の正規小学校教諭を経て、今は非常勤講師として東京都内の小学校に勤務して6年目になります。よく耳にするようになった性的少数者の総称である「LGBTQ+」の中のG(ゲイ)であることをオープンにして、大学の非常勤講師や自治体の相談員も務めています。
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