フューチャーインスティテュート株式会社代表取締役
2021年度は、小中学校の児童生徒に1人1台の情報端末を整備する国の「GIGAスクール構想」の実現に向けて、日本中の教育委員会・学校が取り組みを進めてきた1年でした。夏休み明けには新型コロナウイルス感染症対策で、分散登校やオンライン授業を行った学校もたくさんあり、それを契機に情報端末の活用が進んだと思います。
1人1台の情報端末を子どもたちがどう使うのかを考える際には、授業以外の場で先生方だけで使ってみてもよいでしょう。そうした場では授業進度を気にする必要もないので、失敗する余裕がありますし、先生同士で助け合うこともできます。まずは先生方がやってみて、使い方が分かるようになってくれば、「授業だったらこうやって使えるかもしれない」と授業設計にもつながります。
コンピューターやスマートフォンなどの情報端末を介したメッセージのやりとりは、社会に普及してきています。しかし、「GIGAスクール構想」で配備された1人1台端末をデジタルコミュニケーションのツールとして使っている学校は、まだ少数派だと思います。
2021年10月20日、宮城教育大学附属小学校を訪問し、新田佳忠先生が担当する2年4組のコンピュータサイエンス科(以下、CS科)の授業を参観させていただきました。宮城教育大学附属小学校ではより適切にコンピューターを活用するために、その特性や原理についての科学的な理解を学ぶことを目指して、年間10時間のCS科を設けてカリキュラム開発と授業研究を進めています。
2021年10月27日に埼玉県戸田市立戸田第一小学校を訪問し、池邊寛先生が担当する4年5組のプログラミングの授業を参観させていただきました。
1人1台の情報端末は、数学の授業にも活用することができます。数学的な思考や表現の方法を、アナログだけのものからデジタルも含めたものに拡充することができるのです。
2021年7月16日、埼玉県の戸田市立新曽小学校を訪問し、小林湧先生が担当する6年2組の授業を参観させていただきました。 この日は金曜日だったので、小林先生が「今週の振り返りを書きましょう」と言うと、子どもたちは自分のChromebookを使ってGoogleドキュメントに振り返りを入力していきました。
弊社は、ICT導入のアドバイザー業務や教員研修の設計・実施などをしていますが、自分たちで授業をする機会も数多くいただいています。そのうちの一つとして、私は淑徳小学校(東京都板橋区)の放課後クラブ 「淑徳アルファ」で、コンピューターを使ってさまざまな活動を行う授業「カズトロジー」を毎週、1年生から3年生まで実施しています。
教育委員会や学校での教員研修で、「GIGAスクール構想後の学び」や「1人1台時代の授業」などのテーマで講演をさせていただくと、「操作方法の説明をしなくてはならないので面倒だ」「私はコンピューターが苦手なので、あまり使わないと思う」と正直に打ち明けてくださる先生方もたくさんいます。
小中学校の児童生徒に1人1台の情報端末を整備する国の「GIGAスクール構想」の実現に向けて、日本中の教育委員会、学校が取り組みを進めています。昨年度から今年度にかけ、教育現場は新型コロナウイルスへの感染予防対策をしながら、子どもたちの学びを止めないために、授業動画を配信したりオンラインで家庭とのやりとりをしたり、ICTの活用を進めてきました。
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