小中学校に続いて、高校のGIGAスクール構想に向けた動きが活発になっている。静岡県にある私立、御殿場西高校(大塚勇介校長、生徒808人)は、昨年の一斉休校をきっかけに、1人1台環境の実現を急ピッチで進めるなど、改革の過渡期にある高校の一つだ。同校の勝間田貴宏副校長は「ICTを入れることは前提条件。
学校の「ウェルビーイング」を実現していくためには、長時間労働をはじめとする働き方改革や業務改善が欠かせない。教育界のキーパーソンやイノベーターらに「ウェルビーイングとは何か」を聞くシリーズの第3回は、元小学校教諭で現在は学校専門のワーク・ライフ・バランスコンサルタントとして、数多くの学校改革のサポートを行っている澤田真由美氏に質問。
GIGAスクール構想の1人1台端末を、授業のどの場面で使うと効果的か――。学校現場での端末利活用を支援している文科省のGIGA StuDX推進チームはこのほど、特設サイト「StuDX Style」を更新し、小~高での教科ごとの端末活用事例を公開した。チームリーダーを務める板倉寛企画官は「機能を使うことが目的化しないよう、どの場面で、どのような使い方をするとより良い教育ができるかという観点で参考にしてほしい」と話す。
子供への新型コロナウイルスのワクチン接種について、日本小児科学会予防接種・感染症対策委員会は6月16日、慎重に考える必要があり、個別接種が望ましいとの見解を発表した。高齢者よりも子供はワクチン接種部位に痛みが発生しやすいとし、ワクチン接種を検討する場合は、接種前に本人と保護者に十分説明することと、接種後の健康観察が必要だとした。
日本語指導の必要な外国にルーツのある高校生への支援の制度設計を議論している、文科省の検討会議は6月14日、第2回会合をオンラインで開いた。高校や自治体での対応事例に関するヒアリングを行い、外国人生徒の日本語指導の制度化に向けたポイントを協議した。
GIGAスクール構想によるデジタル端末の使用の増加で、子供たちの視力低下が懸念される中、大手製薬会社「ロート製薬」は、目の健康について楽しみながら授業で学べる小学校高学年向けの教材を制作し、6月から無償提供を始めた。同社のHPからダウンロードできる。同社は「目の健康について1コマの授業で楽しく学べる教材なので、子供たちの目を守るために学校現場で積極的に活用していただきたい」と呼び掛けている。
第204回通常国会が6月16日、閉会した。今国会では、小学校の学級編成標準を現行の40人(1年生は35人)から35人へ引き下げる義務標準法の改正はじめ、児童生徒へのわいせつ行為を行った教員を再び教壇に立たせないことを目指す議員立法など、教育現場を大きく変える教育関連法案が成立した。さらに自民党を中心に、子供に関する政策を一元化する「こども庁」創設に向けた動きも活発化し、次回以降の国会で本格的な議論がされる見通しとなった。
世界各地で医療・人道援助活動を展開している「国境なき医師団日本」が、命を救うことの大切さや難しさを考えるための「世界といのちの教室」を、小学5、6年生を対象にしたオンライン授業として実施している。6月13日に行われた授業では、支援現場に必要な物資の調達や病院の建設などを行う「ロジスティシャン」として活躍していた吉田由希子さんが講師となり、国境なき医師団としての原則に立ちながら、状況に応じて一人でも多くの命を救うための最善策をチームで話し合う重要性を伝えた。
文科省が6月16日に公表した2020年度地方教育費調査の中間報告によると、19年度に支出された地方教育費の総額は16兆3848億円となった。前年度に比べ4153億円増加し、伸び率は2.6%増だった。このうち地方公共団体が公立の学校教育のために支出した学校教育費は13兆8180億円で、前年度と比べ3777億円増え、伸び率は2.8%増だった。
文科省は6月15日、留学先でワクチン接種を求められる海外留学予定者に対し、大学拠点接種の中で接種を受けるための申請の受付を開始した。接種できる会場は15日午後2時時点で24大学・26拠点で、今年9月末までを予定している。萩生田光一文科相は同日の閣議後会見で「渡航が夏に迫っている中、ワクチン接種を理由に留学を断念し、人生における貴重なチャンスを失うことのないように、との配慮から始めるもの」と説明した。
東京都世田谷区にある駒場学園高等学校(笠原喜四郎校長、生徒1344人)では今年度、1年間をかけて生徒が起業を目指しつつ、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を学ぶ特別授業「起業LAB」を行っている。授業は教育プログラムの開発を手掛ける「TOKYO EDUCATION LAB」と連携し、実際に実現可能性の高い事業計画があれば、審査員が出資を判断するという。
こども庁をつくるなら子供の声を取り入れて――。子供に関する支援活動に取り組む団体で構成される「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン実行委員会」は6月15日、衆議院第二議員会館で子供らと国会議員が対話するワークショップ型の院内集会を開いた。合わせて実行委員会は、こども庁について、子どもの権利の実現を総合的・包括的に推進する機関とすることや、子供の意見表明や参加を制度的に位置付けることを提言した。
コロナ禍で運動会をライブ配信する学校が増える中、一部の学校で著作権への誤解から取りやめてしまうケースがあるとして、萩生田光一文科相は6月15日の閣議後会見で、「録画したものの配信は注意が必要だが、リアルタイムで配信するものについては著作権上問題なく、積極的に取り組んでいただきたい」と述べ、今後、著作権を扱う指定管理団体と連携して、正しい知識について文科省のウェブサイトや SNS を通して周知を図る考えを示した。
東京理科大学は今年度から、教職課程の新たな科目として学生が漫才作りに挑戦する「教職パフォーマンス演習」を設置し、6月14日に初回講義を開いた。これまでもバラエティーに富んだ特別講座を展開してきた同学教育支援機構教職教育センターの井藤元准教授が講師を務め、お笑いコンビ「じなんぼ~いず」のシギハラヨシアキさんがゲスト講師に招かれた。
日本型のSTEAM教育は実現可能か――。東京青年会議所は6月11日、STEAM教育をテーマにしたオンラインフォーラム「これからの教育~『知る』と『つくる』で変わる学び~」を開催した。文科省初等中等教育局の板倉寛企画官と、ジャズピアニストであり数学者、STEAM教育家の中島さち子「steAm」代表取締役が、日本の学校教育でどのようにSTEAM教育を展開していくかについて意見を交わした。
教育改革を進める教育長や校長らによる「教育・学びの未来を創造する教育長・校長プラットフォーム」の今年の総会が6月13日、オンラインで開かれ、地域連携やGIGAスクール構想などをテーマに、教育委員会や学校の実践事例が発表された。教育長による発表は、いずれも人口1万5000人以下の小規模自治体の、学校現場と地域との距離の近さを生かした取り組みについてだった。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う昨年の一斉休校が、未就学・小学生の子供を持つ既婚女性の就業率を長期にわたって押し下げた可能性があることが、内閣府が6月11日に閣議決定した男女共同参画白書で分かった。子供がいない既婚女性の就業率への影響は、コロナ禍以前の水準まで回復している月もある一方、未就学・小学生の子供のいる既婚女性では、学校が再開した昨年6月以降、同12月までマイナスの水準で推移している。
経済的に厳しい母子家庭への支援を行うNPO「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」は6月11日、昨年から毎月実施している、母子家庭へのコロナ禍の影響に関する追跡調査のうち、家庭でのオンライン学習の環境に着目したレポートを公表した。自宅から通信料を気にせずにインターネットに接続できる世帯は6割にとどまり、子供が集中して勉強できるスペースがない家庭も半数を超えるなど、端末の整備以外での課題が浮き彫りとなった。
2022年度からの本格導入を目指す小学校高学年からの教科担任制について、文科省の「義務教育9年間を見通した指導体制の在り方等に関する検討会議」は6月11日、第3回目の会合を開いた。この中で全国の先進事例の調査研究結果が報告され、教科担任制の導入で授業の質向上や教員の負担減などの効果が表れていることが示された。
新型コロナウイルスの感染状況を踏まえ、国立大学協会は6月14日、第1回総会後の記者会見で、今年度の国立大学の個別試験について、追試験の設定など受験機会の確保のための工夫を、昨年度に引き続き実施する方針を示した。7月末までをめどに多くの大学で詳細を公表する見通し。
内閣府は6月11日、今年の「子ども・若者の状況及び子ども・若者育成支援施策の実施状況」(子供・若者白書)を国会に報告した。児童生徒の自殺の急増など、コロナ禍で子供・若者を巡る状況が厳しさを増す中、子供たちが家庭や学校を「居場所」と感じているかどうかなどの調査データを可視化した「インデックスボード」を初めて導入し、社会に幅広く伝える工夫をした。
政府は6月11日、今年の少子化社会対策白書を閣議決定した。新型コロナウイルスの感染拡大以降、出生数や妊娠届け出数、婚姻数が減少していることから「結婚行動や妊娠活動に少なからず影響を及ぼした可能性があるものと考えられる」として、中長期的な影響を注視する必要があると指摘。その上で「不安に寄り添いながら、安心して結婚、妊娠・出産、子育てができる環境整備に取り組む」としている。
自民党の有志による「公立小学校へのスクールバスの導入に関する勉強会」(会長・猪口邦子参院議員・元少子化・男女共同参画担当相)はこのほど、公立小学校の登下校で「スクールバス制」を導入することを求める緊急決議をまとめた。徒歩からスクールバスとすることで、登下校時の安全を確保すべきだとしている
2022年の大学入学共通テストについて、大学入試センターは6月11日、詳しい要件を定めた実施要項などを公表した。本試験は来年1月15、16日、追試験は2週間後の同29日、30日の日程で行われる。今春、特例的に行った「第2日程」は設定されない。出願期間は9月27日から10月7日まで。
来年度予算の編成方針に反映される「骨太の方針」の原案に、いわゆる「こども庁」構想を受け、新たな行政組織の創設が盛り込まれたことについて、萩生田光一文科相は6月11日の閣議後会見で、「教育から福祉までを全部そこでやることが本当に可能なのか」などと疑問を投げかけた上で、「実効性が大事だと思う。
日本列島の各地で最高気温が30度を超える真夏日が続き、熱中症のリスクが高まる中、萩生田光一文科相は6月11日の閣議後会見で、「校庭を使った体育の授業は、間隔を広くとってもらえれば、マスクはいらない。現場で徹底してもらいたい」と述べた。呼吸が激しくなる運動を行う場合、新型コロナウイルスの感染対策を行った上で、マスクを外して熱中症対策を図るよう学校現場に改めて要請した。
学校の校則を巡る報道を受けて、文科省はこのほど、都道府県教委などに対し、校則の見直しに関する通知を出した。保護者や生徒と話し合うなどして、校則の見直しを行っている事例を紹介し、校則が時代の進展や社会の常識などを踏まえたものになっているか、絶えず見直すよう求めている。
愛知県名古屋市で、個人情報保護条例の問題からGIGAスクール端末の使用を当面停止する方針としたことについて、萩生田光一文科相は6月11日、「こういうことが、新学期が始まった上で出てきたことは、すごく残念だ。子供たちはショックもあるのではないかということで心配している」と話し、対応を急ぐよう求めた。