中央教育審議会(中教審)は1月26日、総会(第127回会合)を開き、約1年9カ月間をかけた議論を通じ、今後の初等中等教育の方向性をまとめた答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して」を了承した。
中教審が1月26日に答申した「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」では、まず総論で2020年代を通じて実現すべき教育の姿を描き、そこに向かう道筋を整理。各論では各学校段階で重要になる項目のほか、ICT活用や教師の在り方など、今後の方向性に深くかかわる項目を網羅した。
全国学力・学習状況調査のCBT(コンピューター使用型調査、Computer Based Testing)化について検討している、文科省のワーキンググループ(WG)は1月26日、オンラインで会合を開き、有識者へのヒアリングを行った。堀田龍也東北大学大学院教授は「学習指導の貴重な資料が迅速にフィードバックでき、授業のフォローアップにもつながる」などとして、CBT化への期待とともに悉皆(しっかい)調査で実現すべきとの意見を述べた。
ICTの活用は、教育の地域格差をなくす――。長野県の優れた学びの取り組みを紹介し、地域や立場を超えたつながりをつくる、(一社)Learn by Creationと長野県が共同開催のオンラインイベント「Learn by Creation NAGANO(ラーン バイ クリエイション 長野)」が、1月の3週末にわたって開かれた。最終週となった1月23日には、中山間地域の学びや体験を拡張するICT活用についてのセッションが行われた。
高校生の就職活動の支援を行うジンジブは1月26日、高校生を対象に実施した就職活動に関するアンケートの結果を公表した。コロナ禍の影響で、最初に希望していた職種からの変更や、地元で求人を見つけられずに県外の求人も検討したとの回答も見られた。
虐待の疑いがある児童を、児童相談所で一時保護する手続きの課題について協議している、厚労省の検討会はこのほど、第5回会合をオンラインで開き、虐待の事実がないにもかかわらず、児相の判断で一時保護が長期化し、保護者と子供が離れ離れになってしまう「親子分離」のケースについて、当事者である保護者からヒアリングした。
昨年の臨時休校中、特別支援学校でのオンライン教育の実施状況が学校によって大きく異なり、学校内の人員・設備・スキルなどに左右されていたことが、津田塾大学でインクルーシブ教育に携わる研究者らでつくる「Learning Crisis研究会」の実態調査で明らかになった。同研究会が1月23日にオンラインで行ったカンファレンスで報告した。
いじめをなくそうと全国の小中学生が意見を交わす「全国いじめ問題子供サミット」が1月23日、オンラインで開かれた。いじめゼロに向けた各校の独自の取り組みが発表されたほか、いじめを防ぐために必要な対策について意見を交わした。
主体的・対話的な学びを、どうすればコロナ禍で実現できるか――。埼玉県戸田市立戸田第二小学校(山根淳一校長、児童1005人)は1月20日、今年度の研究発表会をオンラインで行い、同校が力を入れている「総合的な学習の時間」におけるPBL(Project Based Learning)について、感染防止対策で教育活動が制限される中でどう取り組んだかを報告した。
千葉県教委は1月22日、新型コロナウイルスへの対応として、オンライン授業をはじめとする県立学校のICT利活用を推進する連携協定を、日本マイクロソフトと締結した。教員が指導案や教材を相互活用できる「共有ポータル」の作成を支援するのは、同社としては初という。
超教育協会はこのほど、「マルチモーダルAIで読み解く、オンライン教育の秘訣」をテーマに、オンラインセミナーを開いた。表情や発言など、AIでオンライン動画のさまざまなデータを解析するサービスを展開する「I'm beside you」の神谷渉三代表が講演し、そうした解析技術が教育にもたらすメリットを説明した。
来年度予算案に盛り込まれた小学校全学年の35人学級について、萩生田光一文科相は1月22日の閣議後会見で、「学習面に限らない教育効果について多面的な検証を行えるように、国と地方の協議の場などを通じて検討を進めていきたい。その先に第2ステージを置きたい」と述べ、教育効果の検証結果を明示することで理解を広げ、将来的な中学校の35人学級や小中学校の30人学級の実現に道筋をつけていく考えを明らかにした。
自民党文部科学部会は1月22日、公立小学校の学級編制を現在の40人(小学1年生は35人)から、段階的に全学年35人に引き下げるための義務標準法の改正案を了承した。改正案では付則として▽2021年度から5年間をかけて、学年進行で35人学級を実現するとともに、経過措置期間を設ける▽学校現場での人材確保や少人数学級の効果検証などに関する検討を行う――という2点を盛り込んだ。
大学入試センターは1月22日、大学入学共通テスト第1日程(16、17日)の公民と理科②の2教科で、得点調整を実施すると発表した。得点調整は2015年の大学入試センター試験以来6年ぶりで、共通1次試験を含めると4回目となる。これに伴い、現代社会、政治・経済、物理、化学の受験生は、得点に応じて最大9点加点される。
茨城県の中学校で剣道部の部活動中に、外部の指導者が男子生徒を転倒させて3カ月の重傷を負わせる傷害事件が起きたのを受け、萩生田光一文科相は1月22日の閣議後会見で、「今回のケースは部活動の外部指導員ではないが、しっかり検証しながら、外部指導者に対する研修の徹底や適切な活用について通知を出し、全国の教育委員会と取り組みたい」と述べた。
絵本作家へのインタビュー記事を課題に、編集者が小学生に読みやすい文章の書き方を指導するオンライン授業が1月19日、福島県二本松市立東和小学校(八巻博之校長、児童219人)で行われた。5年生の児童が絵本作家の大橋慶子さんにオンラインでインタビュー。それを基に書いたインタビュー記事を、出版社を経営する常松心平さんが添削し、さらに文章が良くなる秘訣(ひけつ)をアドバイスした。
性的少数者などに配慮して、福岡市が今年度から全市立中学校で導入した選択制標準服に関し、「福岡市の制服を考える会」は1月21日、生徒指導や販売方法に課題があるとした要望書を市教委に提出した。教職員から「選択できるのは女子生徒だけ」と指導があったり、申込用紙が男女別の仕様になっていたりなど、運用法についての課題が指摘された。
オンライン教育など新たな大学の在り方を検討している教育再生実行会議の高等教育ワーキンググループ(WG、主査・鎌田薫前早稲田大学総長)は1月21日、委員からの意見聴取を行った。中室牧子慶大教授は、大学が持つ成績など業務データと自治体が持つ課税情報を、個人が特定されないかたちでリンクさせることにより….
菅義偉首相は1月21日、参院本会議での各党代表質問で、GIGAスクール構想によるデジタル端末の使用が増えることで児童生徒の視力低下が懸念されることについて、「今後、児童生徒の視力と日常生活との関連について文科省で改めて調査研究を行い、ICT活用に関するガイドブックにも反映していく」と述べ、子供の視力低下への対策を進める考えを示した。
平井卓也デジタル改革相は1月20日、角川ドワンゴ学園N高校の部活動「N高政治部」で特別講義を行い、生徒らと意見交換を行った。その中で、GIGAスクール構想で注目されている学習履歴(スタディ・ログ)管理のための学習者IDをマイナンバーにひも付けることについて、「(転校時などに)本人が必要なら、自分の学習履歴を持って移動できるということ。
GIGAスクール構想の前倒しによって、2021年度からは1人1台環境による授業のパラダイムシフトが起こる――。堀田龍也東北大学大学院情報科学研究科人間社会情報科学専攻・教授は、学校に訪れる変化をそう予見する。世界トップクラスのICT環境を手に入れる日本の学校には、どのような未来が待っているのか。(全2回)
不登校の児童生徒が増加していることを背景に、都教委はこのほど、不登校児童生徒の支援のポイントをまとめた教職員・保護者向けのパンフレットを作成し、公開した。「不登校は問題行動ではない」「学校に登校することだけが目標ではない」といった、子供に寄り添う支援を求め、学校だけでなくフリースクールなどの団体と連携する方法や、教職員・保護者のそれぞれの立場で確認すべき事項をまとめた。
名産であるうなぎを活用したユニークな一品料理を、高校生が提案――。静岡県の浜名湖周辺のうなぎ養殖業者などからなる「浜名湖養魚漁業協同組合」の青年部である「青鰻会」はこのほど、若者のうなぎ離れを食い止める活動として、地元の高校と連携し、うなぎを使ったオリジナル料理のレシピ動画を投稿するオンラインイベント「うな重高校創作料理コンテスト」を開始した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大学入試の個別試験で、募集要項の公表後に選抜方法などを急きょ見直す動きが出ていることについて、文科省は1月20日、各大学から15日時点で報告された変更内容をまとめ、公表した。それによると多くの大学で学部により、感染対策として対面での面接をオンラインに切り替えたり、試験会場での「密」を避けるため会場を追加・変更したりといった対策が進められている。
大学入試センターは1月20日、16日と17日に実施された大学入学共通テスト第1日程の、平均点の中間集計を公表した。化学や生物間で平均点が20点以上の差があり、得点調整の可能性がある。また、体調不良などで追試験が認められた受験生は全国で1729人に上り、昨年度の大学入試センター試験の278人から大幅に増加した。
年が明けても新型コロナウイルスの脅威が続いている。学校もまた、いつ休校になってもおかしくないような状況で、学びを止めないためにはICT環境の整備が喫緊の課題となる。教育の情報化が専門で、中教審の委員なども務める堀田龍也東北大学大学院情報科学研究科人間社会情報科学専攻・教授に、GIGAスクール構想によって実現する1人1台環境で、学校や教師は何をすべきかを聞いた(全2回)。
2019年10月にスタートした幼児教育・保育の無償化の対象外とされた幼児教育類似施設について、国は来年度から一定の条件をクリアすれば「地域子ども・子育て支援事業」の1つに位置付けて、幼児1人当たり月額2万円を給付する方針を決め、1月20日に開かれた「幼児教育類似施設の課題を考える超党派議員の会」(会長・馳浩衆院議員)の総会で説明した。
GIGAスクール構想の前倒しを受けて、埼玉県鴻巣市ではこのほど、ICT環境整備のパイロット校で、児童生徒への学習者用端末の配布を始めた。同市ではフルクラウドによるICT環境の整備を進めており、家庭へ持ち帰っての活用も視野に入れる。