児童生徒の道徳性に関わる評価は2種類ある。1つは全教育活動を通じて行う道徳教育に関する評価で、学級担任が児童生徒の道徳的な行為や行動のよさ、具体的な成長を年度ごとに見とるものだ。もう1つは特別の教科・道徳の学習に対する評価で児童生徒の学習状況を捉えるものだ。
「よりよく生きる喜び」は、中学生のみの内容項目であったが、今回の学習指導要領改訂で小学校5、6年生から取り扱うこととなった。小学生の段階で考えさせるには高度な境地であり、人間としての矜持(きょうじ)、人生を切り開いていく際の背骨ともなる価値観であると思う。これを「人生」「生き方」「自分らしさ」といった言葉に興味を持ち出し、自分自身を客観視し始める頃から学習することに意義がある。
東京都教職員研修センター教授 朝倉 喩美子</h6><hr />道徳科を要として全教育活動を通じ行う道徳教育の内容項目は▽A:主として自分自身に関すること▽B:主として人との関わりに関すること▽C:主として集団や社会との関わりに関すること▽D:主として生命や自然、崇高なものとの関わりに関すること――に分類される。A~D全ての内容を発達段階に即して指導することとなっている。
ある数学の教師が道徳科の研究授業を行うことになった。学習指導案を作成した際の感想には「これ(道徳)は完全に数学だ」とあった。道徳が数学、さてその心は?「緻密な計算の下に授業が成り立つところは、まさしく数学だ」。
新学習指導要領では、全教科・領域で「主体的・対話的で深い学び」が追究されている。道徳科においては「考え、議論する道徳」を目指し、話し合い、議論など、対話的な活動を取り入れたさまざまな指導方法が提案されている。
二十年ほど前のある土曜の午後、当時勤務していた学校の校庭にたたずむ女性が目についた。ずっと校舎を眺めている。 卒業生だというその女性は、訳あって渡米し数十年ぶりに帰国して、母校が懐かしくなり訪れてみたのだという。
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