筆者が行う主権者教育の出前授業では、アニメ動画を教材として使用します。タイトルは「ポリポリ村のみんしゅしゅぎ」で、3部(A、B、C)に分かれています。子供たちがAを観た後に投票し、その結果によってその後のストーリーがB、Cのどちらかに決まるといった具合に、模擬投票によって物語が分岐する仕掛けになっています。ストーリーの概要は、以下の通りです。
「18歳選挙権」を受け、2017(平成29)年告示の新たな学習指導要領は、全体として主権者教育をより促進するものとなっています。最も分かりやすいのは順番です。従来、小学校社会科第6学年の指導内容は、歴史⇒政治⇒国際の順で記述されていましたが、新たな学習指導要領では、政治⇒歴史⇒国際の順になり、各教科書もそれに倣って同様の順番となりました。
主権者教育はわが国に浸透しつつありますが、一方で、それが行われる場は圧倒的に高校が多くなっています。例えば、総務省の調査では、2015年度における主権者教育の出前授業は、高校では実施校数1652校・受講者数45万3834人であったのに対し、中学校では335校・6万5400人、小学校では575校・4万1603人にとどまっていました(総務省「『主権者教育の推進に関する有識者会議』とりまとめ」より)。
2015年の公職選挙法改正で選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられて以降、いわゆる「主権者教育」が全国的に浸透しつつあります。この連載では、主権者教育の意義や目的を踏まえた上で、筆者が小学生向けに行っている具体的な取り組みについて紹介します。
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