「探究する学び」「プロジェクトによる学び」「課題を解決する学び」など、いろいろな呼び方がされるが、共通して求められるのは、学ぶ側にとっても教える側にとっても、常に現在の状況を捉え直し、試行錯誤をしながら、見えない成り行きを追い掛ける学びをしていくことだろう。あらかじめ決められた明確なゴールはない。ゴールから逆算して指導計画を立てることができない学びだからこそ「探究」と呼ぶのだ。
東京コミュニティスクール(TCS)で培ってきた「探索」して「研究」する学びの特徴とは何か。それは、好きなこと、やりたいことだけにとらわれず、たまたま歩いて遭遇する「ちょっとしたこと」を見逃さない好奇心が育ち、なんでも面白がろうとするマインドセットが育つところだ。スクールの保護者はもちろん、学校関係者やビジネス分野の人たちから注目されたのも、その点だった。
東京コミュニティスクール(TCS)を設立しようという思いの中心にあったのは、小学生が小学生時代を伸びやかに生きられていないという問題意識であった。 「なるべく早いうちから英語や算数をたくさん学ばせ、将来のために準備するのがよい」などと、早期教育をあおる風潮への違和感だ。……
私は大学・大学院時代、認知心理学と呼ばれる分野を専攻し、人がどのように記憶を形づくるのかを研究していた。その後、1990年にアメリカ(イリノイ州)にできた日本人の子供たちが通う学習塾の講師となり、やがて自ら塾を立ち上げ(コネチカット州)、教育実践を積み重ねた。
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